米連邦準備制度理事会(FRB)のラエル・ブレイナード理事が、国際的な発展の可能性を理由に、米国が中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する研究と政策で主導的な立場に立つことを奨励した。

金曜にニューヨークで開催される米国金融政策フォーラムに向けたスピーチの中で、ブレイナード理事は、中国人民銀行が行っているデジタル人民元のパイロットプログラムは、国境を越えた支払いや決済システムにおけるドルの優位性に影響を与える可能性があると述べた。しかし、デジタルドルによって、世界中の人々が伝統的なドル通貨に依存し続けることが可能になるかもしれない。

「可能性のある米国のCBDCの不発行または発行が、国際的な決済でのドルの使用に対しどのような影響を与えるかということを、検討した方が賢明である」と、ブレイナード理事は述べた。「米国のCBDCは、ドルを使用する世界中の人々が、デジタル金融システムにおいて取引やビジネスを行うために、米国の通貨の強さと安全性を引き続き頼りにできることを保証するための、可能性のある1つの方法かもしれない」。

中国は冬季オリンピックのためにやって来る海外の訪問者がCBDCを利用できるようにしている一方で、米国はまだ、デジタルドルの展開について模索している段階のようである。ブレイナード理事はFRB在籍中、国際的な決済における伝統的なドルの優位性を考慮し、米国によるCBDCの発行を支持する発言をたびたびしてきた。