仮想通貨取引所Fコイン(FCoin)で巨額ビットコインの支払いができなくなるかもしれない。
Fコイン創業者で中国の仮想通貨取引所フォビの元CTO(最高技術責任者)であるジアン・ジャン氏によると、Fコインは700BTC~1万3000BTC(約7億円~137億円)を利用者に返却できなくなるかもしれない。
理由としてジャン氏は、「データのエラー」、「判断ミス」を挙げている。
「内部的な問題と技術的な問題は財務問題に端を発している」
ジャン氏は、Eメールを使って出金の問い合わせに対応すると述べた。一連のプロセスには2、3ヶ月かかる見込みだという。
一方、ジャン氏は、Fコインで得た利益を使って新たなプロジェクトを開始し、Fコイン利用者の損失を補填する計画を明かした。
「私は、人生が追われるまで(Fコイン損失)に責任を持つ」
Fコインのビジネスモデル
Fコインは2018年5月に立ち上がった。FTトークンをもっていると取引所の収益が配当されてFコイン取引所の手数料が還元されるという新たなビジネスモデルが注目を集めた。
利用者は、手数料が100%FTトークンで還元されるので、できるだけ頻繁に取引をするイセンティブが発生する。この結果、Fコインの取引量は急激に急増。議論の余地はあるものの、多くの業界関係者の注目を集めた。
コインデスクによると、2018年の6月のある時点ではFコインの1日の取引高は56億ドル(約6160億円)を突破。主要仮想通貨取引所を上回る記録を打ち立てた。
また、1日あたりの手数料収入の8割が利用者に払い戻された。
しかし、今回ジャン氏は、ビジネスモデルを支えらる堅実な技術プラットフォームを構築できなかったと認めた。Fコインは現在閉鎖されている。
フォビ創業者に助け求める
ジャン氏は、ブログの中でフォビ創業者の李林氏に助けを求めた。李林氏は断ったという。
「私は彼に本当の理由を話した(この記事ほど詳細ではないが)。そして、我々は、考えられる救済策を検討した。しかし、私が予期した結果になってしまった。李林が救済を約束したら、フォビが今日、明日を生き残れないことを私は知っていた。あの日私が彼の立場にあったならば、同じ決定をしただろうし、するべきだっただろう」
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