英国金融行動監視機構(FCA)の市場担当エグゼクティブ・ディレクターであるサラ・プリチャード氏は、仮想通貨に関する今年のルールづくりの際に最近の不安定な市況を考慮すると語った。

ブルームバーグが報じたところによると、FCAが英国財務省とともに指針(今年遅くに公表される予定)を策定する際には、テラUSD(UST)やテザー(USDT)といったステーブルコインの対ドル相場が下落したことを「間違いなく」考慮に入れるとプリチャード氏は述べた。USDTの価格が5月12日に一時的に0.97ドル下落したのに対し、USTは5月9日から93%以上も暴落し、本記事掲載時点での価格は0.06ドル程度となっている。

「きちんと機能する市場と明確な消費者保護という両面において、今存在する本当に重要な問題が前面に出た格好だ」とプリチャード氏は語っている。「先週は重要な価格変動があり、そうしたことが明らかとなった。人々の投資対象にそうしたリスクがあると理解してもらうことの重要性を示している」。

英国財務省は4月、ステーブルコインが小売客にとって「広範な決済手段」になる可能性を受け、デジタル資産に関する規制枠組みの範疇に入れていくと宣言した。また、複数のイニシアチブを前進させていくとも述べた。具体的には、暗号資産に適用される税制を見直す一方で、非代替性トークン(NFT)を王立造幣局につくらせる。さらに、分散型台帳技術を国内の金融市場で利用することも模索していくという。