ベネズエラで4番目に人気のあるアプリとしてランクインしたこともある仮想通貨(暗号資産)ウォレット「ブレッドウォレット(BreadWallet、BRD)」は、同国での成功は現地での仮想通貨需要の強さが理由だと指摘している。

ブレッドウォレットのアダム・トレードマンCEOは、コインテレグラフに対して、仮想通貨への強力な需要がベネズエラでのBRDアプリの推進力になったと語った。

「本当は『我々の素晴らしいマーケティングチームと、優れた広報戦略の結果であった』と言いたいところなのだが、それだけが理由ではなかった」と、トレードマン氏は話す。

「当時の政府の政策により、仮想通貨への需要は劇的に高まっていた。アルゼンチンやミャンマーなどの国でも見られていたものだ」という。

BRDは全国で4番目にダウンロードされたアプリに

2018年にベネズエラでの通貨危機が悪化したことで、BRDは一時的にだが全国で4番目にダウンロードされたアプリになった。

「そのような状況下では、人々は銀行に殺到し、現金以外のモノに変えようと必死な状況だった。人々は、現金よりも安定した資産を手にいようとしていた。それが理由だ」

BRDのアプリは、ベネズエラと同様に通貨危機に直面していた隣国アルゼンチンでも大量に採用されていた。

「もしあなたが当時、アルゼンチンペソなりベネズエラペソを持っていれば、どんどんと価値がうしなわれていき、6ヶ月や12ヶ月ごとに貯蓄を失うことになっていただろう」

質の高いユーザーエクスペリエンスが重要に

トレードマン氏はかつてアルゼンチンの首都ブエノスアイレスに住んでいたことがあり、一般の人々が現地通貨を米ドルなどほかの安定した通貨へと必死に交換していたのを目撃したことがある。

「金曜日に、月に1度、”お金の人”が現れる。現地では”街角のお金の人”と呼ばれていた。彼らは、高い手数料で現地通貨を米ドルやユーロなどに交換する。最近では仮想通貨も扱うようになっている。なぜなら、仮想通貨の方が大量の現金を持ち歩くよりも、はるかに安全だからだ」

「BRDがより多くダウンロードされ、おそらくほかのサービスよりも人気があったのは、それが分散化されていたことが理由だと思う」と、トレードマン氏は指摘している。

「人々はそれをダウンロードするとき、登録するプロセスを経る必要がない。摩擦が存在しない。ただQRコードを持っているだけで、すぐにお金を送ることができる。それが分散化の美しさだ」

「ほとんどの人は、分散化はプライバシーや違法行為のためだと考えている。そんなことはない。分散化は素晴らしいユーザーエクスペリエンスのためだ。そして皮肉なことに、それが仮想通貨が支持されている理由だ」と、トレードマン氏は結論付けている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン