南米ベネズエラのニコラス・マデューロ大統領が3日、石油、天然ガス、ダイヤモンド等のコモディティ備蓄をベースとした官製仮想通貨「ペトロ」を発行すると発表した。

 ハイパーインフレに悩まされる同国では仮想通貨の発行を歓迎する声もあるが、野党は議会の承認が必要としており、実際に実施されるかは不透明だ。また、仮想通貨をコモディティ儲蓄と連動させるのは技術的に非常に複雑だと思われる。

 今回の動きは、米による経済制裁等で同国通貨ボリバルは急落しており仮想通貨の導入で資金がベネズエラに入る新たなルートを作る目的がある。マデューロ大統領によると官製仮想通貨は「金融主権の問題、金融取引の実施、金融封鎖を克服する上での進展」としている。

 一方で野党幹部は、マデューロ大統領がベネズエラが他国に負う借金を仮想通貨で返済しようとする可能性もあるとしている。

 

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