一部のビットコイン(BTC)マイナーは、最新の難易度調整の結果、再び採算が悪化する可能性がある。

今週初め、ビットコインの採掘難易度が調整され、14.95%上昇した。これは2018年1月以来、最大の上昇幅だ。ビットコインの採掘難易度調整は、2016ブロックごとに定期的に発生するようコード化されており、マイニング速度を10分間で維持するよう調整される。

5月の半減期以後、旧型のマイニング装置が復活していたが、今回の調整でこのトレンドに変化が起こる可能性がある。当初、ビットコインのブロック報酬が半減するため、かなりの数のマイナーが古いマシンをオフラインにして、装置の売却やより電気の安い場所への移転を検討していた。

しかし、コインメトリックスのデータアナリストであるカリム・ヘルミー氏は、過去2度の難易度調整で難易度が下落していたため、ビットメインが製造する人気デバイス「Antminer S9」がオンラインに戻っていたと、コインテレグラフに語っている。

「S9は、最近の大幅に難易度が下落した難易度調整後に実際に戻ってきていた。これによりハッシュレートが増加し、今回の難易度の大幅増加となる調整を引き起こした」と、ヘルミー氏は説明する。

大手ビットコインマイニングプールF2Poolのグローバルビジネスディレクターであるトーマス・ヘラー氏は、旧世代の装置が「再び利益を生むようになった」後に復活してきたと述べている。ただし、ハッシュレートの増価は、「MicroBt M30」や「Antminer S19」といった最新機種がマイナーに出荷され、オンラインになったためだと指摘している。

「難易度調整前にハッシュレートが増加したのは、ほとんどの旧世代のマシンがオンラインに戻ったことと、いくつかのM30、S19、A11といったマシンが初めてオンラインになったためだ」

ビットコインのマイニングの難易度が上昇したため、一部の装置はオフラインになったか、もしくはSHA256アルゴリズムをサポートする他のコインに移っている可能性があると、ヘラー氏は指摘する。

「一部のマイナーはBCHやBSVのマイニングに切り替える可能性があり、ほかのマイナーは装置をオフにしているだろう」

ヘルミー氏も、旧世代の装置が再びオフラインになっていることに同意したが、それが起こるのは半減期になった直後と同じ状態になる必要があるとも指摘した。

「ここには、中国の梅雨やビットコインの価格など、ほかにも多くの要素がある」と、ヘルミー氏は指摘する。

ヘラー氏とヘルミー氏の2人は、今回の大幅な難易度上昇の結果、ハッシュレートが低下する可能性があることに同意したが、しかしそれは電力価格やビットコイン価格などのほかの要因にも大きく依存しているとも指摘する。

またヘルミー氏は、最近のビットメインの社内での権力争いによって、最新のマイニング装置が出荷されなくなる可能性があり、それがハッシュレートに影響を与える可能性についても触れている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン