仮想通貨取引所eXchは4月17日、北朝鮮のハッカー集団ラザルスによる資金洗浄への関与が報じられたことを受け、5月1日をもって全業務を終了すると発表した

同取引所の声明によると、経営陣の過半数が「業務停止と撤退」を支持し、閉鎖を決定したという。背景には、バイビットに対する14億ドル規模のハッキング事件で盗まれた資金のうち、およそ3500万ドルがeXchを通じて資金洗浄されたとの疑惑だ。eXchによれば、資金洗浄問題で同取引所は当局からの標的となっているという。

eXchは声明の中で、「我々のインフラを停止させようとする試みにもかかわらず、これまでは運営を継続できていた」とした上で、「目標が誤って解釈され、SIGINT(通信を対象にした諜報活動)の対象とされているような敵対的な環境の中、運営を継続する意味はない」と述べた。

当初eXchは、北朝鮮のためにデジタル資産を資金洗浄していたとの指摘を否定していたが、バイビットのハッキング事件に関連する「ごく一部の資金」を処理したことは認めている。経営陣の一部は、同社がユーザーのプライバシー保護を重視していると主張し、「一部の取引所はマネーロンダリング対策の名のもとに、顧客に無意味なポリシーを強要している」と批判した。

仮想通貨業界最大級のハッキング事件

バイビットのハッキングは、仮想通貨業界史上最大級の被害となり、ユーザーによる出金総額は50億ドルを超えた。バイビットのベン・チョウ最高経営責任者(CEO)は2月22日、「資金が回収されない場合でも、損失を補填できる」と述べ、全出金処理に対応した

ただ、その後Web3関連サービスの一部を終了し、非代替性トークン(NFT)マーケットプレイスの閉鎖を決定。同社は主力事業に資源を集中する方針だ

4月10日時点で、バイビットはハッキング前のシェアである約7%を回復している

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