過去900日間にわたり1万イーサリアム(ETH)を保有していたクジラが、保有分をすべて売却し、仮想通貨価格が4000ドルを超えていた際に得られたはずの2760万ドルの利益を逃していた。
ブロックチェーン分析サービスのルックオンチェーンは4月8日のX投稿で、このクジラが2022年10月と11月に、合計1万ETHを平均1295ドル(総額1300万ドル)で取得していたと報告した。
「この投資家はイーサリアムが4000ドルを突破した際にも売却しなかった。しかし本日、270万ドルの利益でポジションを手仕舞った。ピーク時に売っていれば、2760万ドルの利益となっていた」とルックオンチェーンは説明している。
このクジラが売却した時点でのイーサリアム価格はおよそ1578ドルだったという。コインゲッコーのデータによれば、保有期間中の最高値は2023年12月9日の4015ドルだった。
現在、イーサリアム価格は約1426ドルまで下落しており、トランプ政権による世界的な関税強化をきっかけとした市場全体の売り圧力により、直近7日間で24%の下落となっている。
イーサリアムの過去最高値は、2021年11月10日に記録した4878ドルであり、今回のクジラが初めて購入した時期の約1年前にあたる。
トランプ支援のワールド・リバティもETHを損切りか
ルックオンチェーンは、4月9日の別のX投稿において、ドナルド・トランプ氏が支援する仮想通貨プロジェクト「ワールド・リバティ・フィナンシャル(WLF)」に関連するウォレットが、保有するイーサリアムの一部を損切りしたと報告している。
「ワールド・リバティに関連するとみられるウォレットが、5471ETH(約801万ドル相当)を1465ドルで売却した」とルックオンチェーンは報告している。
ルックオンチェーンによれば、WLFは以前6万7498ETHを平均取得価格3259ドルで保有していたとされており、今回の売却が事実であれば、大きな損失を出していることになる。
市場急落のなかでクジラたちに動き
市場全体が急落するなかで、他にも複数のクジラが大きな動きを見せている。
4月7日、ある匿名の仮想通貨クジラは、22万ETH(約3億ドル相当)のポジションが清算されるのを防ぐため、1万ETH(約1450万ドル相当)を追加で投入したと報告されている。
一方、別のクジラは運に恵まれなかった。4月6日、分散型金融(DeFi)レンディングプラットフォームSky上での大規模ポジションが清算され、6万7570ETH(約1億600万ドル相当)を失ったという。