イーサリアムのネイティブトークンであるイーサ(ETH)は足元で10%以上上昇し、1990ドルを超える日中高値に到達した。それにもかかわらず、ETH/USDペアは、取引所への大量のETH流入への懸念から、再び売り局面に直面するリスクがある。

5月に58700KイーサがFTXに転送

月30日、シンガポールに拠点を置く仮想通貨ヘッジファンドであるスリー・アロー・キャピタルに関連するとされるイーサアドレスは、1時間で6000万ドル相当の32000ETHを仮想通貨取引所FTXに送ったことが、オンチェーンデータで明らかになった。

5月初めに同ファンドがFTXに26,700ETHを入金しており、イーサを投げ売りするのではないかという疑惑を引き起こした。理論上、投資家が仮想通貨を取引所のウォレットに転送するのは、他の資産に売却したいときだけだからだ。

しかし、グラスノードが追跡したオンチェーンデータによると、取引所全体では、イーサの数は5月に減少し続けた。

全仮想通貨取引所のETH月次残高は2045万から2038万に減少し、投資家が長期的に投資を保持していることがわかる。

Ethereum balance on exchanges. Source: Glassnode

ETHのリバウンドが弱まる

スリー・アロー・キャピタルのFTXへの大量のイーサ転送は、以下のチャートように、ETHがブレイクアウトのために1,920ドル付近で重要なサポートがレジスタンスに変わるレベルをテストしている時期と重なる。

ETH/USD four-hour price chart. Source: TradingView

同時に、イーサの相対力指数は、「買われすぎ」の基準値である70に近い状態にある。つまり、ETHは今後数日間、1,920ドル付近で固まった後、1,850ドル付近の上昇トレンドラインのサポートに引き戻される可能性がある。

逆に、取引量の増加を伴う1,920ドルレベルの上方への決定的な動きについては、以下のように、偽名の市場アナリストであるウルフ氏が指摘する長期上昇セットアップを誘発する可能性がある。

ETH/USD weekly price chart. Source: Wolf/TradingView

このセットアップでは、1,820ドル付近のレベルがいわゆる蓄積レンジのサポートとなり、もう一方の端では4,000ドルがレジスタンスとして機能していると紹介されている。ウルフ氏は、イーサリアムをプルーフ・オブ・ステーク・プロトコルにする待望のアップグレードである「マージから数か月後」に4,000ドルに向けて価格が上昇する可能性があると指摘している。