プロトダンクシャーディングを導入するイーサリアムの「デンクン(Dencun)」アップグレードが、ホレスキー(Holesky)テストネットを通じて最終段階のテストを成功裏に完了した。次のフェーズはメインネットへの導入となる。
データによると、デンクン・アップグレードは2月7日午前11時35分(UTC)にホレスキーでフォークされた。その直後にネザーマインドがこのニュースをXで共有した。このアップグレードにより、イーサリアムのレイヤー2における取引コストが大幅に低下すると広く期待されている。
Aaaand we've finalized!
— Nethermind (@NethermindEth) February 7, 2024
デンクンは特に、イーサリアム改善提案(EIP)4844を通じてプロトダンクシャーディングを導入する。EIP-4844の主な特徴は「ブロブ(BLOB)」であり、イーサリアムノードが大量のオフチェーンデータに一時的にアクセスし保存することを可能にする。グノーシスのインフラストラクチャー責任者フィリップ・ショマーズ氏によれば、イーサリアムのメインネットでデンクンが実装されると、ロールアップコストが最大10分の1に低下する可能性があるという。
デンクンのメインネット導入日は2月8日のAllCoreDevsコールで決定される予定だ。一方、イーサリアム支持者アンソニー・ササーノ氏は2月7日に「すべての兆候が3月初旬から中旬にかけてを指している」と指摘する。
デンクンはカンクン(Cancun)とデネブ(Deneb)のアップグレードを組み合わせたものであり、昨年4月のシャペラ・アップグレード以来、イーサリアムにとって最も重要なアップグレードとなる。シャペラ(Shapella)アップグレードでは、2020年12月1日にプルーフ・オブ・ステーク(PoS)チェーンが立ち上がって以来初めて、イーサリアム(ETH)のアンステーキングが可能になった。
カンクンは実行レイヤーでのネットワークスケーラビリティに焦点を当てており、EIP-4844が中心となっているが、EIP-1153、EIP-4788、EIP-6780もアップグレードの一部である。一方、デネブはイーサリアムのコンセンサスレイヤーの改善に焦点を当てている。
ホレスキーに先立ち、デンクンは1月17日と1月30日にそれぞれゴエリ(Goerli)とセポリア(Sepolia )のテストネットに導入された。しかし、ゴエリへのデンクンの導入は、テストネットがアップグレードを最終化することを阻んだバグによって4時間の遅延を経験した。
「ネットワークはイーサリアムのプルーフ・オブ・ステーククライアントであるプリズムのバグのためにノードと同期できなかった」と、イーサリアム開発プラットフォームTenderlyの創設者ネボイシャ・ウロセビッチ氏は当時コインテレグラフに語った。「これが複数のクライアントが存在し、テストネットが存在する理由の一つだ」とウロセビッチ氏は付け加えた。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン