イーサリアム(ETH)からフォーク(分岐)した仮想通貨(暗号資産)イーサリアムクラシック(ETC)は、5月31日にアップグレード「フェニックス(Pheonix)」のハードフォークを実行した。これにより、ETHのアップグレード「イスタンブール」の機能が追加された。
今回のETCのハードフォークにより、2つのネットワークが実質的に同じプロトコルを共有し、完全な互換性を持つことになる。
今回のETCのハードフォークは、ETHとの互換性を持たせるための一連のアップグレードの3回目にあたる。昨年12月には行われた「アガルタ(Agharta)」では、ETHの「コンスタンティノープル」の機能に対応。昨年9月には「アトランティス(Atlantis)」のアップグレードが行われている。
ETCの次の予定は?
イーサリアムクラシックは、DAO事件の影響で元に戻さなかった「オリジナルの」イーサリアムのネットワークだといえる。しかし、ETC独自のネイティブDapp(分散型アプリ)は、ほかの競合に比べて、少ないままだ。
それにも関わらず、ETCコインはある程度の牽引力を獲得している。開発者バウンティプラットフォームのGitcoinは、イーサリアムクラシックラボと提携して、ETCを使ったバウンティを提供している。
今回のハードフォークで、ETCとETHのプロトコルが完全な互換性を持つとなれば、イーサリアム開発者はETCのブロックチェーンにもアプリを移植できるようになるだろう。ただし、ほかの多くのスマートコントラクトプラットフォームもイーサリアムと互換性を持っている(たとえばバイナンスが4月に発表したスマートチェーンなど)。イーサリアムクラッシックが強力な開発者コミュニティを惹きつけることに成功するかどうかはまだわからない。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン