イーサリアムの共同設立者ヴィタリック・ブテリン氏は、今月半ばに行われたZcashとのインタビューの中で、仮想通貨EOSのシステム上の欠点を指摘した。EOSは取引スピードが速く、取引手数料が無料であることなどから最近は分散型アプリ(dApps)のプラットフォームとして注目を集めている。

ブテリン氏が注目したのは、EOSのオンチェーン・ガバナンス。オンチェーン・ガバナンスでは、ブロックチェーンを変更する際のルールなどがブロックチェーンのプロトコルにコード化されており、全てオンラインで完結する。EOSでは、EOSトークンを使ってガバナンスを決めるノード21個の承認投票を行う。

ブテリン氏によると、これまでEOS所有者全体の約17%が投票に参加し、最も投票数の多い代表者は仮想通貨取引所のビットフィネックス。ビットフィネックスは「全てのコインの1.8%以上を保有することで代表者としてのスポットを買うことができる上、EOSの代表者に与えられる年1%の利子を享受することができる」と指摘した。

ブテリン氏は、この仕組みを「金権的」だと批判。「資本の分配という点で、コインを使った投票ガバナンスが失敗する例の一つだ」と述べた。

分散型アプリ(dApp)のデータサイトDappRaddrによると過去24時間で300人以上ユーザがいる分散型アプリは、EOS上に7つあり、イーサリアムの6つを上回っている。また分散型取引所のバンコールは、イーサリアムに次いでEOSネットワークへの対応する計画を発表した