エジプト中央銀行が、コスト削減のため法定通貨「エジプトポンド」をブロックチェーンを基盤とするデジタル通貨として導入することを検討している。地元の英字紙アムワル・アル・ガド( Amwal Al Ghad)が16日に伝えた

エジプト中央銀行(CBE)のアイマン・フセイン副総裁は日曜日にアブダビで行われた会議に出席し、現在「(デジタル通貨導入の)実現可能性についての調査」を実施していると述べた。

エジプト政府は、ブロックチェーンを基盤とするデジタル通貨を法定通貨として導入することで、従来の硬貨や紙幣に比べ、通貨の発行や取引にかかるコストを最小限に抑えることができるとの見解を持っていると同紙は指摘している。

フセイン氏は「多くの国際機関」と協力して調査を進めていると述べたが、地元紙によれば「機関名は公表せず、今後導入が期待される通貨の取引が、銀行間のみになるのか、銀行と顧客間になるのかについても言及しなかった」という。

エジプトはこれまで、ビットコイン(BTC)のようなデジタル通貨に対して極めて慎重な立場を取っていた。17年8月に同国初の仮想通貨取引所が開設されて以降、たびたび警告を発してきた。今年8月には、エジプト中央銀行が、デジタル通貨の取引を許可するようなルール作成に取り組む意図はないとする姿勢をEgypt Independentが報じている。一方で、同中央銀行は米国に拠点を置くR3ブロックチェーンコンソーシアムへ参加。ブロックチェーン技術について実験することを許可するなど前向きな姿勢も見せている。