著者 DMM Bitcoin マーケットレポート
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・ダブルトップ形成による下落中?
BAT/JPY 日足 Bidチャート(DMM Bitcoinの取引ツールより作成)
上図は、BAT/JPYの日足チャート(期間:2021年初~現在)である。
BAT/JPYは、6/3高値がネックラインの上抜けを失敗した(上図白丸)ことで、173円付近を頂点とするダブルトップが形成され、その後下落基調となった。
直近では、6/22安値の4.8円から小幅に反発しているものの、上値は伸びず下落相場の中の小休止といった印象を受ける。
そうした状況下で、テクニカルに着目してみると、移動平均線やスロー・ストキャスティクスにおいて、下落基調のサインが点灯している。
以下でこれらのテクニカルについて深堀してみたい。
・複数の下落サインの点灯
BAT/JPY日足 Bidチャート(DMM Bitcoinの取引ツールより作成)
上図は各種移動平均線とスロー・ストキャスティクス(※1)を表示させたBAT/JPYの日足チャートである。(期間:2021年3月~現在)
①ローソク足実体が200日単純移動平均線を下抜け
市場において、特に強く意識される200日単純移動平均線(青線・以下200MA)であるが、6月16日に価格がこの水準を突き破っている。
これは、押し目買い意欲の後退を意味しているかもしれない。
ローソク足の実体が200MAを下回るということは、この半年間(200日≒180日)の市場参加者の平均コストを現値が割り込んでいるということになる。
年初から5月頃まで強い上昇相場であったことを踏まえると、損を抱えている市場参加者も多いことが推測される。そのため、同値逃げや損切りなどに押されやすい状況であるとも考えられ、場合によっては下げが加速するような場面も想定されるだろう。
その他のMAにおいては、14MA(上図緑線)・50MA(黄色線)が6月17日と7月2日に200MAを上から下に突き抜ける、デッドクロスを形成(上図黄丸)していることも懸念材料となる。
市場参加者の多くが意識する、移動平均線に関連した下落サインが複数発生しており、上昇基調復調へ、不安が残る状況と言えるだろう。
②スロー・ストキャスティクスにおいて、2本のラインがデッドクロスを形成
スロー・ストキャスティクスを見ると、7/6時点(上図)で買われすぎ水準である80%以上にいて、%D(上図黃点線)がSlow%D(上図赤線)(※2)を上から下に抜けるデッドクロスが形成され、反転シグナルが点灯した。
反転シグナルは、5/7にも同様に発生している(上図赤丸)点に注目したい。その際は150円付近(5/7始値)から、47円付近(5/23安値)まで下押ししており、約70%下落する非常に強い下落となった。
必ずしも過去事例と同様の値動きになるとは言えないが、強い下落相場に突入する前触れである可能性も、警戒をしておきたい。
以上を踏まえて、今後のシナリオを考察する。
(※1)スロー・ストキャスティクス:テクニカル分析の一つで、ある一定期間の中で、現況の変動がどの程度の強さであるか見極めるテクニカル指標。オシレーター系に分類される。
(※2)現在の価格位置の相対的水準を示す「%K」、「%K」の移動平均である「%D」、「%D」の移動平均である「SLOW%D」を用いる。
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