デジタル・カレンシー・グループ(DCG)は、仮想通貨取引所ジェミナイに対して訴訟の却下を求める申し立てを提出した。ジェミナイは、DCGにジェミナイのアーン・プログラムに関連して「債権者に詐欺があった」と主張している。

8月10日にニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に提出された書類の中で、DCGとバリー・シルバートCEOの弁護士は、ジェミナイが7月に提出した訴訟は「個人的で悪質で虚偽の」主張でソーシャルメディア上でDCGを標的にした「広報キャンペーン」であると主張した。訴状ではジェミナイ側の主張である「DCGとシルバートによるジェミナイに対する虚偽、誤解を招く、不完全な情報提供」があったことや「ジェネシスのジェミナイに対する詐欺行為を奨励し助長した」という表現を引用し、その結果として発生した資金の回収を求めていると非難した。

DCGの子会社である仮想通貨レンディングを手掛けていたジェネシスは、ジェミナイと提携して2021年に開始されたアーンプログラムの運営を担当した。このプログラムでは、ジェミナイのユーザーがジェネシスに仮想通貨を貸し出し、ジェネシスが利息をつけて返済することを約束していた。しかし、同社は2022年11月に「前例のない市場の混乱」を理由に引き出しを停止し、2023年1月に連邦破産法第11条の適用を申請した。

DCG側は、シルバートCEOと同社は「ジェミナイのアーン・プログラムとは事実上無関係」であり、ジェミナイは不正行為の主張をほとんど裏付けることができなかったと主張した。

「訴状は、被告ではないジェネシスに対する結論ありきの主張の寄せ集めであり、ジェミナイがジェネシスの破産にこれらの壮大な請求を提出していないという事実によって、すべてが裏付けられている。

2022年のスリー・アローズ・キャピタル(3AC)の破綻により、ジェネシスは破産手続きの中で12億ドルの資金を手元に残したと報じられている。ジェミナイの共同創業者であるキャメロン・ウィンクルボス氏とタイラー・ウィンクルボス氏は、ジェネシスとDCGが取引所の顧客に対して9億ドルの債務を負っていると主張している。

ジェミナイとジェネシスの両社は、アーン・プログラムをめぐって1月に米国証券取引委員会(SEC)から民事訴訟を起こされている。同委員会は、同プログラムが未登録証券の販売を提供していたと主張している。ニューヨーク州金融サービス局もまた、同様の疑惑をめぐって同取引所を調査していると報じられている。