オーストラリアのデジタル資産管理会社モノクロームは、仮想通貨業界で影響力を持つ起業家たちが主導する180万ドルのシリーズAラウンドを完了し、機関投資家向けの仮想通貨ソリューションの可能性が高まっていることを示した。

今回の資金調達は、ビットコイン(BTC)やその他のデジタル資産に特化した新製品の開発に使用される予定。今回のシリーズAは、ライトコインの生みの親であるチャーリー・リー氏やブロックストリームの最高戦略責任者であるサムソン・モウ氏、バイナンスの元CFOであるウェイ・シュウ氏、DeFiプロトコルのシンセティクス創業者であるカイン・ワーウィック氏が共同で主導した。今回の増資により、モノクロームの評価額はおよそ1,500万ドルになると推定される。

モノクロームは、バイナンス・オーストラリアの元チーフ・エグゼクティブであるジェフ・ヨウ氏が、今年初めに立ち上げた会社だ。同社が最も力を入れているのは、ホールセール投資家向けの資本形成手段である「Monochrome Bitcoin Fund」だ。このファンドでは、現物のビットコインをほぼ100%割り当てることを目標としており、米国の信託会社であるBitGo Trustがカストディを担当している。

ウェイ・シュウ氏は、モノクロームについて、オーストラリアの「デジタル資産への規制されたアクセスに特化した大手投資会社」と表現し、オーストラリアが仮想通貨に対して「先進的な規制を取ろうとする姿勢」が読み取れると強調した。

他の先進国と同様に、オーストラリアの仮想通貨規制はまだ初期段階にある。同国は仮想通貨を貨幣として認めていないが、デジタル資産の取引は合法であり、マネーロンダリング防止およびテロ資金対策の規制の対象だ。オーストラリアの金融規制当局はこのほど、未登録の仮想通貨事業者を利用しないよう市民に警告した。

モノクロームは、機関投資家をターゲットにしている。グレイスケールやコインシェアーズの商品などに大量の資金が流入していることからもわかるように、機関投資家の仮想通貨に対する需要は高まっているようだ。また、機関投資家を対象とした調査では、ウェルスマネージャーの大部分が、仮想通貨の購入や資産へのエクスポージャーの増加を計画していることが明らかになっている。