決済大手のペイパル(PayPal)が、イスラエルに拠点を置く仮想通貨カストディ企業Curvを買収するというニュースが報道された。これを受け、興奮した投機家が誤解して分散型金融Curve FinanceのネイティブトークンCRVに殺到。CRVはそのために10%超上昇する事態となった。

ブルームバーグが2日、匿名の関係者の話として、ペイパルがCruv買収に向け交渉中であると報じた。イスラエルの現地メディアの報道によれば、2億~3億ドルで売却される可能性があるという。

このニュースが報じられてから1時間もしないうちにCurveのCRVトークンの価格が急騰。2.3ドルから2.6ドルへと、10%以上の上昇をみせた。

Curveの公式ツイッターアカウントも、ペイパルによる買収を祝福する勘違いの投稿にタグ付けされたりしている。Curve側はこの混乱を払拭しようと対応している。

トレーダーたちが自分たちの過ちに気づいた時、CRVはすぐに反落。上昇分の利益はすぐに帳消しとなった。

しかし、「すべての宣伝は良い宣伝である」という言葉の通り、混乱を招いたものの、CRVトークンはその後、2.2ドルから上昇に転じ、最終的に2.6ドルまで上昇。過去24時間で29%上昇というパフォーマンスをみせた。

市場データアグリゲーターのメサーリによれば、CRVトークンは現在、過去24時間で最高のパフォーマンスを発揮したイーサリアム基盤の資産となっている。

CRV/USDT, hourly chart since Jan. 14: TradingView

勘違いしたトレーダーが間違った銘柄に殺到するという現象は、これが初めてではない。今年1月、仮想通貨のトロン(TRX)がRedditのr/WallStreetBetsで取り上げられたとき、混乱したトレーダーがニューヨーク証券取引所に上場しているタンザニア・ゴールド・コーポレーション株(TRX)に殺到したこともある。

この勘違いで、1月29日にタンザニア・ゴールド・コーポレーション株の取引高は84倍に増加した。この日、タンザニア株は0.85ドルから1.90ドル以上に上昇し、その後急落。最終的に15%下落で終値を付けた。