中国の民間サイバーセキュリティー企業スローミストが28日、テザー(USDT)の取引に2重支払いの危険性があることを発見したと発表した。ただ専門家によると、この問題はテザーというより取引所に原因がある可能性があるという。

 

 スローミストはツイッターで、取引履歴に正しい入力値が表示されないままある取引所にテザーを送ることができたと指摘。利用者が実際に取引所に送金をしなくても、その取引所でトークンを保有できることになり、明らかな二重支払いだ。

 

 スローミストのツイートについて、テザーが作られたプラットフォーム「オムニレイヤー」の創設者は次のように解説した

 

「この取引所が正しい入力ちをチェックしていなかったようだ。私が間違っていなければ、これは取引所における失態だ」

 

 仮想通貨の監視会社、クリプトメディケーションは問題の写真を掲載した

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 クリプトメディケーションは、二重支払いの問題は、無限に悪用される可能性があるため深刻だとした上で、今回は「テザーの問題というより取引所の問題のようだ」という見解を示した。

 取引高で世界第2位のオーケーイーエックス(OKEx)は、この問題に対する声明を発表。様々な検証をした結果、スローミストが指摘したような問題は発見されなかったという。

 米ドルと1対1で連動しているとされるテザーは今週はじめに2億5000万ドル分のトークンを発行。3月にも3億ドル分のトークンを発行していて、ビットコインの価格上昇につながっている。またテザーに関しては、今月「「昨年末のビットコイン急騰はテザーによる価格操作」とする論文がテキサス大学の研究者から出されている