【米弁護士寄稿】仮想通貨は課税対象資産、仮想通貨公正課税法成立までの対処法

米国国税庁(IRS)は、ビットコインおよび電子通貨は課税対象となる資産であるとの見解を示した。これは一見単純に聞こえるが、そうではなく、相当複雑なことで、その影響は各所に及ぶだろう。例えば、500ドルの買い物にビットコインを使ったとすると、国税庁はどう対応すべきか。自分の所有するビットコインを売却したことになるが、購買時に支払った価格によっては売却損や売却益が生ずることになる。

それは経常利益か、それとも資本利得か? 短期または長期? 状況によって異なるとしか言えない。そのため、ビットコインで500ドルの買い物をするだけで面倒なことになる。一方で、IRSは申告があまりに少ないので、厳重に取り締まろうとしている。最近コインベース事案で公表された様に、IRSは匿名召喚状(ジョン・ドー・サモンズJohnDoe Summons)を使用してBitininやその他のデジタル通貨ユーザーのデータを入手している。

 

国税庁の脱税者狩り

IRSはソフトウェアを用いてビットコインのユーザーIDを捜しているため、追徴税、課徴金、金利を課せられる恐れがある。 極端な場合には刑事訴訟もあり得る。

しかし、Jared Polis(D-Co)議員とDavid Schweikert議員(R-Az)は、600ドル以下の取引は免税とする超党派の法案「仮想通貨 公正課税法(2017年)を上院で提起した。

本法案が通過すれば、小規模な日々の取引は免税となるだろう。しかしIRSは通告2014−21において、ビットコインおよびその他のデジタル通貨は通貨ではなく、税務上の財産であると規定していることを忘れてはならない。デジタル通貨を使用するたび、課税対象の取引が発生しているということになる。

仮想通貨を使用して行われた支払いは、1099様式の報告の対象となる。 仮想通貨を使用して従業員に支払われる賃金は課税対象であり、W-2様式で報告されなければならず、連邦所得税源泉徴収税および給与税の対象となる。これは、従業員に現金とビットコインを支払うことと、現金支払いから連邦の源泉徴収を受けることを意味する。

独立した請負業者への仮想通貨の支払いは課税対象であり、支払人は1099様式を発行する必要がある。このフォームは支払い時にビットコインの価値をドルで記入する必要があり、その結果価値の大幅な振れがあった場合、膨大な課税が課される可能性がある。したがって、同法案では、600ドル以下の取引はすべて免除される。

この法律の成立は、小規模な取引の利益の把握を心配する必要がないということを意味する。さらに、同法案は、財務省がデジタル通貨に関連する利益と損失を報告するためのガイドラインを提供するよう求めている。IRSとコインベースは依然ユーザー記録を巡って争っているため、IRSはUBSからスイスの銀行口座保有者の名前を得るために匿名召喚状を使用したことは覚えておく価値があるだろう。

 

匿名召喚状の威力

その意味で、デジタル通貨のユーザーや投資家にはいずれ変化が到来する。IRSは、15年にビットコインに関連したキャピタルゲインまたはロスを申告したのはたった802人だけだったと言う。

これは、ビットコイン・トランザクションの大半が報告されていないことを意味する。17年には、より多くの取引の申告があり、申告義務についての認識も広まり、同時に脱税の摘発に対する恐怖も一部では広がるだろう。仮想通貨経済の規模は、推定2000億ドル程度なのだ。

 

税務当局は法を執行していく

膨大な数の取引と、ビットコインの価値が数年のうちに100ドル未満から6千ドル以上に上昇したことから、IRSは本格始動しており、Chainalysis社のソフトウェアを駆使してデジタル財布の所有者を特定している。そこから、取引に係る徴税は、もうそれほど難しいことではない。

ビットコインやその他のデジタル通貨売却からの収入を隠匿している納税者は、税金を払う可能性があり、民事罰を受ける可能性もある。いくつかのケースでは、刑事訴訟に終わる可能性もある。したがって、少なくとも、記録を残し今後は報告した方がいいだろう。

あなたは過去の収益について修正申告をしたいと言う人もいるかもしれない。IRSからの連絡を受けてからするのと、自分から進んでするのでは大違いだ。もちろん、一部のデジタル通貨ユーザーはすでに、デジタル通貨取引を税務申告で報告している。

しかし、その申告の仕方があっているのか、どうやって確かめるのか?

 

正しく申告することが賢明

記録を残し、利得と損失を確定させることは相当煩雑かもしれない。本法案が成立すれば、多くの取引が課税対象から除外される。それはデジタル通貨コミュニティにとっては歓迎すべきニュースだ。しかし それまでは、以下のヒントを参照してほしい。

  • デジタル通貨の適正市場価値は? 取引所に上場しており、市場の需給によって為替レートが設定されている場合は、為替レートで米ドルに換算しよう。

  • 支払いとして仮想通貨を受け取った場合、適正市場価値を所得に含める必要がありますか? YES、受領日の適正市場価格を米貨で報告しよう。

  • 商品やサービスの支払いとして受け取った仮想通貨のベースは何ですか? 受領時の米ドルでの適正市場価格としよう。

  • 仮想通貨をマイニングする場合、マイニングからの収入はありますか? YES、適正市場価格が収入となる。

  • 仮想通貨のマイニングは、自営業税の対象となる貿易やビジネスに当たりますか? もちろん。 IRSはすべてから徴税するだろう。

 

ロバート W. ウッドはサンフランシスコのウッド LLP(www.WoodLLP.com)に拠点を置き、世界中にクライアントを擁する弁護士。多数の税務関連専門書の著者であり、Forbes.com、Tax Notes、およびその他の出版物に、税関連の記事等を寄稿している。

Disclaimer. This article is adapted from one appearing on Forbes.com. This discussion is not intended as legal advice and does not necessarily represent the views of the Cointelegraph.

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