アジアサッカー連盟(AFC)によると、アジアでは過去6年間で八百長が急激に減少したという。しかし、支払い方法として仮想通貨を採用したことを一因に、違法なギャンブルは成長を続けているそうだ。ロイターが2月14日に報じた。

腐敗・汚職問題に取り組む国際NGO「トランスペアレンシー・インターナショナル(国際透明性機構)」の推計(2018年)によると、違法なギャンブル市場は約4000億ドル(約44兆円)規模になっており、これが八百長を引き起こしているという。これらギャンブルは、中国、インド、インドネシア、パキスタン、バングラデシュなどアジア大陸のほとんどの国で違法となっている。

八百長は激減

スポーツデータの収集と分析を行いブックメーカーやメディアなどに情報提供を行う Sportradar(スポートレーダー)とAFCは、2013年以来アジアにおけるサッカー業界の腐敗の改善に協力し取り組んでいるという。

2013年以前は、「組織犯罪シンジケートのすべての機能を備えた」少数の大組織が違法なギャンブルと八百長に関与していたが、AFCの努力が功を奏し、現在では地元ギャングなどローカルなシンジケートや一匹狼的な存在がかかわるものになっているという。

Sportradar調査サービス・ディレクターのオスカー・ブロドキン氏は、「主要人物の投獄・組織の崩壊、また有名なケースがメディアで取り沙汰されたことで、過去5年間の八百長はさらに断片化された」と述べた。

「ビジネス」として進化する違法ギャンブル市場

ブロドキン氏によると、その一方で、2009年以降は違法ギャンブルにおける賭け金が大きくなっており、一時的な娯楽やこづかい稼ぎレベルのものから、「ビジネス」として進化しているそうだ。さらに、現金以外にも仮想通貨を利用し始めるなど、資金面でも変化していると指摘した。

「我々は、違法行為の賭け金や支払い方法として、仮想通貨の採用が増加していることを確認した」

2020年1月、パリに本拠地を置くサッカークラブ、パリ・サンジェルマンFC(PSG)は、ブロックチェーンプラットフォームSocios上でファントークン「PSGトークン」の販売を開始した。

2019年10月には、ストライキングエンターテインメントが、独サッカークラブチームのFCバイエルン・ミュンヘンとデジタルグッズ制作・販売についてライセンス契約を締結したと発表した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン

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