ビットコイン(BTC)をはじめとする仮想通貨は、2023年には弱気相場を経験していると広く報じられている。しかし、特定の仮想通貨プラットフォームのウェブサイトのトラフィックなどの指標によれば、それが必ずしも事実であるわけではない。
バイナンスやコインベースなどの大手仮想通貨ウェブサイトは2023年に大幅なトラフィックの減少を見せたが、反対の傾向を示している仮想通貨サイトも多い。
ウェブ分析プラットフォームのシミラーウェブのデータによれば、バイナンスのウェブサイトの月間訪問者数は、2023年1月の6900万人から8月には5400万人へと22%減少した。コインベースのウェブサイトは同期間で訪問者数が15%減少し、3350万人から2840万人へと落ち込んだ。
しかし、一部の仮想通貨取引所のウェブサイトは、トラフィックにおいて成功を収めている。シミラーウェブのデータを参照したところ、OKX、HTX(旧称:フォビ)、Gate.io、CoinW、XT.com、Bitmartなどの仮想通貨取引所のウェブサイトは、年初からのトラフィックが顕著に増加している。
データによれば、HTXのウェブサイトの月間訪問者数は年初から200%以上増加し、1月の730万人から8月には2200万人へと急増した。OKXのウェブサイトも同様のトラフィック増加を見せ、月間訪問者数は2023年初の800万人から8月には2280万人へと185%増加した。
Gate.ioとCoinWの取引所は、それぞれ143%と66%のトラフィック増加を見せた。XT.comとBitmartの仮想通貨取引プラットフォームのウェブサイトトラフィックも、今年に入ってから約40%増加し、月間訪問者数は950万人以上に達している。
米国の大手仮想通貨取引所であるクラーケンも、今年はトラフィックが増加しており、500万人から560万人へと約11%増加した。

一部の中央集権型仮想通貨取引所(CEX)のウェブサイトだけでなく、ソフトウェア型仮想通貨ウォレットや分散型仮想通貨取引所(DEX)、仮想通貨サービスでもトラフィック増加の傾向が見られる。
仮想通貨ウォレットであるメタマスクは、トラフィックが31%増加し、月間訪問者数は2023年1月の450万人から8月には590万人へと急増した。バイナンスの自己管理型ウォレットであるトラストウォレットも、今年はトラフィックが増加し、約7%増の290万人から310万人へと上昇した。
大手DEXのユニスワップは、今年に入ってからウェブサイトのトラフィックが28%増加し、1月の390万人から8月には500万人へと増えた。
仮想通貨ギフトカード会社のビットリフィルも、今年トラフィックが増加した仮想通貨ウェブサイトの一つである。8月には、ビットリフィルのウェブサイトの月間訪問者数は100万人に達し、2023年1月の約90万人から12%増加した。
多くの仮想通貨ウェブサイトが今年顕著な成長を見せていることから、仮想通貨が弱気相場にあったとは言えないかもしれない。仮想通貨ウェブサイトのトラフィックは取引量を反映しているわけではないが、仮想通貨サービスへの需要と採用の重要な指標となる。
仮想通貨が弱気相場にないという証拠はウェブサイトのトラフィックだけではないと、いくつかの観察者は指摘する。弱気相場の定義の一つによれば、市場指数や資産が最近の高値から20%超下落した場合に弱気トレンドが発生するとされている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン