「仮想通貨は金融包摂の手段にはならない」米上院銀行委員会の公聴会

米議会上院の銀行委員会は日本時間31日、公聴会「仮想通貨とブロックチェーンに関する規制フレームワークの検証」を開き、銀行口座を持たない人々への金融アクセスなどの金融包摂ついて懐疑的な意見が聞かれた。

公聴会には仮想通貨規制の不透明さを訴えている仮想通貨決済企業サークルのジェレミー・アレールCEOや議会調査局のレベッカ・ネルソン氏、カルフォルニア大学アーバイン校のメーサ・バラダラン教授が出席した。

バラダラン教授は、仮想通貨は金融包摂や銀行システムの公平性の問題は技術面ではなく、政策面にあるとの見解を示した。

同氏は連邦準備制度やその他の機関はすでに銀行口座を持たない人々に口座開設するための力はあるとし、技術は存在すると主張。仮想通貨の「全ての人が利用できる支払いシステム」という目的はすで確立されているとした。その上で、不足しているのは政策であるとし、以下のよう仮想通貨には懐疑的な態度を示している。

「問題は農村部などで、銀行システムにアクセスできない市民がいることだ。まずは市民の銀行へのアクセスが必要だ。しかし、仮想通貨は広く採用されるまでには時間がかかるだろう」

これに対し、eToroのアナリストであるマティ・グリーンスパン氏は「政策の変更を求める唯一の方法は連銀もビジネスモデルを崩壊させることだ。仮想通貨を通して、連銀を競争させることによって金融包摂は可能になる」と発言した。

仮想通貨による金融包摂についてアレールCEOは課題があることは認めつつも「仮想通貨は金融包摂に関する解決策を提示している」とした。

さらに世界中で使われる仮想通貨には、データプライバシーの安全性や他地域が管轄する規制の課題があると指摘された。リブラの公聴会でも出された懸念事項だ。

これについてアレールCEOは金融活動作業部会(FATF)のガイドラインをあげて、世界で統一した規制に向けた準備が進んでいると返答。G20によって承認され、多くの国がガイドラインに準拠することになると発言した。