仮想通貨マイニングを行うプログラム「コインハイブ」の運営元が、同サービスの提供を終了することを26日にブログで発表した。仮想通貨モネロの下落などにより、経済的な理由で存続が不可能になった。

発表によると、コインハイブは、19年3月8日にサービス提供を停止するが、ユーザーのダッシュボードには19年4月30日までアクセス可能。コインハイブの開発者は、サービス終了の原因の1つに、直近の仮想通貨モネロ(XMR)のハードフォーク後にハッシュレート(マイニングの計算速度)が50%以上低下したことを挙げている。

さらに、コインハブは、モネロの市場価値が1年間で85%以上暴落したことで打撃を受けたと説明している。「このような状況に加え、3月9日にはモネロネットワークのハードフォークとアルゴリズムのアップデートが予定されており、コインハイブを続けられないという結論に至った」と、ブログには記されている。

コインハイブは、JavaScriptで書かれたコードをWebサイトに埋め込むことで、サイト閲覧者のPCのCPUを使い仮想通貨をマイニングするツールだ。オンライン広告に代わる収益手段として注目され、豪ユニセフや 米ウェブメディアのSalon.comが広告の代替手段として採用した実績もあった。

もともとコインハイブは悪意のあるコードではないが、利用者の同意なしに仮想通貨をマイニングさせるクリプトジャックを行うハッカーたちの間で人気が高まっていた。

日本では昨年、コインハイブを使ったサイトを運営していた複数の人物が警察の捜査を受ける事態となった。不正指令電磁的記録(ウィルス)を使用した罪で略式起訴されるケースもあったが、専門家から法令適用について疑問の声も挙がっている。正式な裁判に発展したケースでは、原告側が無罪を主張。判決は3月後半に出る予定だ。