仮想通貨に精通した弁護士は、Web3企業においてますます重要な役割を果たすようになるだろう。専門家らによれば、特にFTX破綻後、業界は規制の混乱に備えている。

仮想通貨取引所ビットスタンプの最高コンプライアンス責任者であるトーマス・フック氏は、Web3弁護士は、企業が法律や規制の不確実性を乗り切るのを助けるという厳しい仕事に直面するため、Web3に詳しい弁護士を起用できることが「ビジネスの差別化要因」となるだろうとコインテレグラフに語った。

規制対応によって、最終的に企業がどれだけ早く製品やサービスを市場に投入できるかを決めることになる、とフック氏は説明する。

「多くの規制が明確でなく、複雑であることから、Web3企業は今後も法務・コンプライアンス担当者を必要とするだろう。この種の人材は、合法的かつコンプライアンスに則った方法で迅速に市場に参入する企業を支援することができるため、ビジネスの差別化要因になりつつある」

「規制当局が業界を把握しようとする中で、彼らがいなければ企業は後退する可能性がある」とフック氏は付け加えた。

RMITのブロックチェーンイノベーションハブのシニアリサーチフェロー、アーロン・レーン博士は、現在の環境では、Web3企業は安全に行動し、必要に応じて法的アドバイスに頼るべきであるとコインテレグラフに語った。

「起業家は経済的な不確実性の下で意思決定を行うことには慣れているが、法的な不確実性の下で活動することは苦手である」

レーン氏は、ブロックチェーンに基づく技術革新のペースと、最近米国議会に提出された50以上の独立したデジタル資産に関する法案が、その必要性をさらに物語っていると指摘する。

同氏は、Web3に詳しい優秀な弁護士の一部は、仮想通貨分野にとって「重要な」基盤である商法部門から出てくるだろうと考えている。

「優れたWeb3弁護士は、優れた商法弁護士でもある。現在、この分野で活躍している優秀なWeb3弁護士は、何らかの商法分野の弁護士からスタートしているし、その中核となる基盤は今後も重要だと考えている」

加えて、レーン氏は「Web3を構成する技術の知識は、今後10年間でますます必要とされるようになる」と強調する。

しかし、今のところこの分野は「非常にニッチ」であると、クリプト・リクルートの創設者ニール・ダンドン氏は言う。