2020年下半期にはビットコイン(BTC)価格が史上最高値を更新した他、米通貨監督庁による国法銀行の仮想通貨カストディ許可など多くのポジティブな動きがあった。一方でOCCトップであるブライアン・ブルックス氏によると、2021年に向けて仮想通貨規制は現在、不透明な状況に直面しているという。

ブルックス氏は18日にCNBCのインタビューで、ビットコイン価格が上昇していることについてコメントを求められ、「値動きについては話せないが、私が何を心配しているかは話そう」として、以下のように語った。

「こうしたことはすべて、大統領の交代を控えた環境で起きた。そして連邦議会では我々が導入したいくつかの規制保護を解体するよう求める声がある」

最近では自己ホスト型ウォレットの禁止など、多くの仮想通貨規制が行われている。さらにはステーブルコインに対する包括的な規制案も提出されている。

ブルックス氏は「我々の組織は、国法銀行でのカストディ業務を安全に行えるように努めてきた」とし、「銀行がいくつかのステーブルコインプロジェクトをサポートできるようにも議論してきた」と加えた。「保護がなくなった場合、この種の環境は心配だ」としてこれまで構築した規制が解体されてしまうことを危惧した。

これまでにもいくつかの議員はブルックス氏のリーダーシップのもとで、OCCは仮想通貨関連にフォーカスしすぎているのではないかと批判がある。

CNBCのインタビューでブルックス氏は、仮想通貨は規制の面で岐路に立っていると指摘。違法取引を取り締まることで人々の安全性を高めることが第一に重要とした。

一方で、今後仮想通貨にとってネガティブな道も見えているようだ。「非常に現実的なもう一つの点は、仮想通貨であろうが、フィンテックであろうが、技術的な問題をすべて政治化することだ」と主張した。

「この政権が安全性を高め、現実的なものにするために行ってきた仕事をすべて取り消すことで政治化する。例えば、マキシン・ウォーターズ議員が最近提案したようなことが通れば、前進するための基礎が十分にあるかはわからない。つまり、これまで取り組んできた消費者保護と規制上の利益を統合することがすべてだ」

ウォーターズ議員は12月、2021年に政府の方針が固まるまでは金融規制の議論を停止するように求める書簡を提出。同議員はフェイスブックのディアム(リブラ)批判の急先鋒として知られている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン