2025年は、多くの仮想通貨投資家が想定していた展開とは異なる1年となった。
ビットコイン(BTC)は歴史的な4年サイクルにほぼ沿ってピークを付けたものの、長らく期待されていた急騰は訪れなかった。さらに、ビットコインの上昇が市場全体に波及せず、本格的なアルトコインシーズンもほぼ実現しなかった。
その結果、2026年は不透明感を伴って始まった。投資家心理は慎重さと懐疑に支配され、極めて弱気な水準にある。一方で、業界はこれまでにない局面に立っている。仮想通貨誕生から15年で初めて、機関投資家、企業、規制当局が概ね同じ方向を向き、普及の土台を築きつつある。
予想外の展開が続いた1年を経て、2026年に向けた有望な投資機会を見極めるのは容易ではない。それでも、ビットコインの半減期に紐づく4年サイクルの再現性だけに頼るのではなく、長期的な実需と持続性を備えた資産や分野に焦点を当てる意義は大きい。
ビットコイン市場の構造が変化している兆候も増えている。長期視点と厳格な投資規律を持つ機関投資家の資本が、価格形成や流動性に与える影響を拡大させている。
こうした新たな参加者は、マイナーや長期保有者、ビットコインの大口保有者といった従来のプレイヤーから市場のナラティブを徐々にシフトさせている。
このような背景のもと、2026年に注目すべき仮想通貨投資テーマを3つ挙げてみよう。
ビットコイン:歴史は繰り返すのか、それともサイクル崩壊か
ビットコインは現在、4回目の半減期サイクルを迎えている。過去のサイクルでは、半減期後の期間が強気相場と重なり、価格は通常12〜18カ月後にピークを迎えてきた。
この定型パターンに従うなら、ビットコインは2022年の安値から600%上昇した後、2025年10月にサイクル高値を付けた可能性がある。
これは過去の弱気市場後の回復局面と整合的だが、過去のサイクルの爆発的な上昇と比べると控えめで、成熟に伴うリターン低下を裏付ける動きとも言える。
しかし、過去のサイクルが既に当てはまらなくなったと考える向きもある。
ビットワイズのアナリストであるマット・ホーガン氏とライアン・ラスムッセン氏は、ビットコインが長年続いた4年リズムから脱却しつつあると指摘する。
両氏は、2026年にビットコインが4年サイクルを打ち破り、史上最高値を更新すると予想している。半減期による供給ショック、金利変動、過剰なレバレッジ投機といった従来の要因は、かつてほどの影響力を持たなくなったという見方だ。
レバレッジは依然として市場の特徴ではあるが、2025年後半の急激なデレバレッジ局面で、10月には清算の連鎖により未決済建玉が数十億ドル規模で消失した。この調整により、過剰投機による典型的な天井形成の可能性は低下したとされる。
より重要なのは、次の局面を決定づける要因として、機関投資家の資本が挙げられている点だ。2024年に現物ビットコインETFが承認されたことが第一波となり、2026年にはその流れが加速する可能性がある。
ホーガン氏とラスムッセン氏は、モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴ、メリル・リンチといった大手資産運用プラットフォームが資産配分を拡大することで、機関投資家資金の流入が本格化すると述べている。
米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げが進めば、流動性環境は改善し、ビットコインを含むリスク資産にとって追い風となる可能性が高い。
この見方は、グローバル・マクロ・インベスターの金融アナリストであるジュリアン・ビッテル氏の研究とも一致する。同氏は、ビットコインは半減期よりも景気循環や流動性サイクルと強く連動すると指摘している。
「景気循環、金融環境、流動性を踏まえると、このサイクルは2026年まで十分に続く可能性が高い。その世界では、4年サイクルは事実上終わったも同然だ」とビッテル氏は記している。
ステーブルコイン:静かに進む仮想通貨の成功例
ビットコイン以外では、明確な実需を示しているブロックチェーンアプリケーションはそれほど多くない。米ドルなどの法定通貨に連動するステーブルコインはその中でも際立つ存在だ。
過去18カ月でステーブルコイン市場は急拡大し、流通総額は3000億ドルを突破した。USDTやUSDCといったドル連動型が市場をけん引している。
当初はトレーダー向けツールに過ぎなかったステーブルコインは、決済、清算、オンチェーン流動性の基盤へと進化しつつある。

この転換を後押ししたのが規制の整備だ。2025年半ば、米国議会は発行、準備資産、監督に関する明確な枠組みを定める包括的なステーブルコイン規制であるGENIUS法を成立させた。これは業界にとって転換点と見なされている。
同時に、銀行セクターの参入に向けた動きも進んでいる。米連邦預金保険公社(FDIC)は、認可された子会社を通じて銀行が決済用ステーブルコインを発行できる規則整備を検討しており、伝統金融との統合が視野に入ってきた。

この環境下で、ステーブルコインは国際送金の高速化、オンチェーン清算、短期国債に裏付けられた利回り商品など、多目的な金融ツールとして位置付けられつつある。
米国政府は、ステーブルコインを米ドルの国際的地位を補強する手段とも捉えており、ドル建て銀行サービスへのアクセスが限られる地域での役割に注目している。
このような動きは米国に限らない。ユーロや新興国通貨に連動するステーブルコインも存在感を高めており、ドル中心の商品にとどまらないグローバルな決済手段としての可能性を示している。
投資の観点では、ドル連動型ステーブルコイン自体に値上がり余地はほぼない。本当の機会は、それを支えるインフラにある。
発行体、カストディアン、コンプライアンス事業者、ブロックチェーンネットワーク、決済システムなど、発行、償還、清算、保管を担うインフラ全体の価値が、ステーブルコイン普及とともに高まっていく。
このテーマは伝統的資本市場にも波及している。USDC発行元のサークルは上場を果たし、ペイパルも独自のドル連動ステーブルコインを投入した。こうした展開は、既存フィンテック企業が、ステーブルコインを将来の決済基盤の中核と見なしていることを示す動きだ。
RWAトークン化:理論からウォール街の現実へ
世界最大級の資産運用会社を率いるブラックロックのラリー・フィンク氏が「すべての資産がトークン化される時代が始まった」と語れば、市場は注目せざるを得ない。長期投資家にとっても、かつては理論上の話に過ぎなかったブロックチェーン活用が、金融のメインストリームへと移行しつつあることを意味する。
現実世界資産(RWA)のトークン化は、ニッチな実験から、機関投資家主導の主要分野へと急速に成長した。ブラックロック、フランクリン・テンプルトン、ゴールドマン・サックスといった金融大手は、すでにトークン化されたファンド、債券に関与している。

業界データによると、2025年時点でRWAトークン化のオンチェーン価値は300億ドルを超え、プライベートクレジットや米国債連動商品が先行分野として台頭している。
最近では、株式や株式類似商品にもトークン化の波が広がりつつあり、特に米国外で需要が高まっている。クラーケンが一部地域で展開したトークン化株式は、24時間取引やプログラム可能なアクセスへの需要を浮き彫りにした。
投資家にとって、RWAの魅力は短期的な投機ではなく、構造的な変化をもたらす点にある。高速な清算、カウンターパーティーリスクの低減、グローバルなアクセス性をもたらすトークン化は、規制整備と金融大手の参入が進むにつれ、2026年に向けた最も持続的な仮想通貨投資テーマの1つとなる可能性が高い。
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