米連邦預金保険公社(FDIC)は、米国のGENIUS法に基づく規則策定を進めており、規制下にある銀行が決済用ステーブルコインを発行するための申請方法に関する枠組みを提案した。これは、同法のステーブルコイン条項を実施するための初期段階の重要な一歩となる。
FDICが公式サイトに掲載した38ページの文書では、FDICの監督下にある金融機関の子会社が決済用ステーブルコインを発行する際の承認要件案が詳細に示されている。
ブルームバーグによると、この提案は次の規則策定段階へ進む前に、パブリックコメント(意見募集)期間に付される。

提案によると、銀行は子会社を通じて決済用ステーブルコインの発行を申請し、FDICはGENIUS法に定められた基準に基づき、子会社およびその親会社の双方を評価する。評価項目には、ステーブルコイン発行基準を満たす能力、金融機関の財務状況、経営の質、償還方針、そのほか安全性や健全性に関する要素が含まれる。
承認後は、FDICが当該子会社の決済用ステーブルコイン事業を監督する主要な連邦規制当局となる。
FDICは、銀行預金の保険と加盟金融機関の監督を担う米国の機関である。近年は、銀行によるデジタル資産への関与のあり方を形成する上で、より積極的な役割を果たしてきた。銀行監督におけるレピュテーショナルリスクの扱いを見直している点もその一例だ。コインテレグラフが10月に報じたように、こうした動きは金融機関が仮想通貨関連企業とどのように関わるかに影響を与える可能性がある。
ワシントン、ステーブルコインを歴史的に受け入れ
GENIUS法は、「Guiding and Establishing National Innovation for US Stablecoins(米国ステーブルコインのための国家的イノベーション指針・確立法)」の略称で、6月に上院を通過し、翌月にドナルド・トランプ米大統領が署名して成立した。
この法律は、決済用ステーブルコインに関する包括的な規制枠組みを定めており、発行体に対し、米ドルまたはその他の承認された高品質流動資産による1対1の準備金裏付けを維持することを求めている。

GENIUS法は仮想通貨業界から広く歓迎され、コインベース、サークル、ロビンフッド、ジェミニといった主要企業の幹部が、トランプ大統領による署名式に出席した。
業界関係者の中には、この法律を、ステーブルコインを通じて米ドルの流動性を強化し、ドルの国際的な影響力を拡大するための手段と捉える向きもある。この見方は、スコット・ベセント米財務長官も示している。
世界で流通するステーブルコインの総価値は3,000億ドルを超えており、その大半は米ドルに連動したトークンが占めている。
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