仮想通貨取引所HTX(旧フォビ)は11月22日の不正流出を受けて、サービスを一時停止し、合計3000万ドル(約390万円)の被害が発生した。これを受け、投資家は自身の資産をHTXから移動させ始めており、11月25日のサービス再開から12月10日までの間に、HTXは約2億5800万ドル(約337億円)の純流出を経験した。

DefiLlamaのデータによると、HTXの資産は32.3%がビットコイン(BTC)、31.8%がトロン(TRX)で構成されている。TRXはジャスティン・サン氏が2017年に立ち上げたブロックチェーン、トロンネットワークのネイティブ通貨だ。発表時点で、HTXはデイリーの取引高で16番目に大きな仮想通貨取引所であり、過去24時間で16億ドルの取引高を記録している。
11月25日のHTXのサービス再開後、サン氏は影響を受けたユーザーに対し、ホットウォレットの損失について完全に補償すると約束し、調査が進行中であると述べていた。
HTX and Heco Cross-Chain Bridge Undergo Hacker Attack. HTX Will Fully Compensate for HTX's hot wallet Losses. Deposits and Withdrawals Temporarily Suspended. All Funds in HTX Are Secure, and the Community Can Rest Assured. We are investigating the specific reasons for the hacker…
— H.E. Justin Sun 孙宇晨 (@justinsuntron) November 22, 2023
過去2か月間にHTXおよびサン氏関連の企業、例えば仮想通貨取引所ポロニエックスやHTXエコチェーン(HECO)ブリッジは合計4回のハッキングを受けた。最初のHTXのハッキングでは、取引所がHTXにブランド変更した後のわずか2週間に発生し、9月24日に攻撃者が約800万ドルの仮想通貨を盗んだ。最大の侵害は11月10日のポロニエックスでの1億ドルの被害で、秘密鍵の侵害が原因とされている。HTXのHECOチェーンブリッジも11月22日に大規模な攻撃を受け、ハッカーは少なくとも8660万ドを怪しいアドレスに送金した。
11月は仮想通貨被害では今年最悪の月となった。ハッカーなどが不正な手段で総額3億6300万ドルのデジタル資産を持ち去った。コインテレグラフはHTXにコメントを求めたが、記事公開までに回答は得られなかった。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン