仮想通貨先物取引所が、競合他社が現在抱えている問題を解決する上で、自社の機能で有利な立場に立てると述べている。
FTXのチームは、大手取引所の商品が抱える問題について「数時間におよぶフィードバック」を行なったが、それが無視されたことにより、行動を起こす動機が生まれたとしている。
こうした経緯により、同社のプラットフォームでは「他のデリバティブ取引所で、損失の社会化に影響を受けた多額の顧客資金」を一例とする問題に、3階層の流動性モデルで対処し、「損失の社会化が発生する可能性を下げる」ことができるという。
同取引所はブログへの投稿で、「FTXは損失の社会化を、決して起きてはならない最悪のシナリオと捉えている。当社が設計したシステムでは、いかなる損失の社会化も起こさず、市場の大規模な動きや膨大な取引量に対応することができる」と説明している。
これを可能にするのは、「保護策付き流動性プロバイダシステム」だ。これを採用したプロバイダは、口座が破産する前にその責任を引き継ぐことが可能である。つまり、ポジションを管理して、「他の取引所から迅速に流動性を注入」するよう努めることができるのだ。
FTXは、「20分間の間に相場で40%の動きがあったとしても、損失の社会化が発生しない」ことがテストで示されたとしている。
競争上の強み
FTXによると、同社の保護策付き流動性プロバイダシステムは、TrueUSDまたはUSDCoinによる共通の信用取引用ウォレットを備えており、ユーザーは一箇所であらゆるデリバティブの取引を行うことができるという。さらに同社は、トレーダーが証拠金として担保を維持することなく、最大3倍のレバレッジにより、「迅速に」ショート・ロングポジションを取ることができるとしている。
それに加えて、FTXは非インバース先物の提供も行なっている。特にUSDT/USDおよびBNB(バイナンスコイン)/USDの先物は、USDTおよびBNBのポジションで、手軽かつ効果的にヘッジングを行う機会を提供している。同取引所は、USDT、BTC(ビットコイン)、ETH(イーサリアム)、EOS(イオス)、XRP(リップル)のレバレッジトークンもローンチしている。マイナス1倍、プラス3倍、マイナス3倍のレバレッジが可能だ。これによりユーザーは、通常では担保の差し入れが必要な場合でも、その必要なしにポジションを取ることができる。
場外取引についてFTXは、見積依頼システムの自動化による弱気市場や競争激化とった最近の状況にも関わらず、「業界でも特にタイトなスプレッド」を提供しているという。
FTXは、Alameda Researchによる支援を受けていると付け加える。Alameda Researchの1日の取引高は、同取引所が「業界最大規模の流動性プロバイダであり、マーケットメーカーである」と評するだけあり、市場のボラティリティに応じて2億ドルから10億ドルにのぼる。
FTXによると、同社のサービスは、その多数のセールスポイントがAlamedaの専門知識に基づいており、模倣することは難しいという。同社ホワイトペーパーの要約では「FTXは商品を深く知る人々により設計された。担保から維持証拠品、清算プロセス、商品登録にいたるまで、商品のヘビーユーザーが基礎から再設計を行なった。トレーダーがトレーダーのために構築したサービスである」としている。
新機能の開発について同取引所は、Alamedaの技術チームの力を借りることで、「時間のプレッシャーの下で複雑な仮想通貨取引システムを構築」できると主張している。これにより、他の主要プラットフォームより遥かに短期間の開発サイクルが実現するのだという。
意義あるトークン
FTXはFTTと呼ばれるトークンを発行しており、同取引所によるとユーザーに大きな利便性がもたらされるという。FTTは先物ポジションの担保として使用することができ、手数料や証拠金取引の要件を引き下げることもできる。また同スタートアップは、保有者が場外取引の低いスプレッドからメリットを得ることができ、「プラットフォームに他のデリバティブ商品が追加されれば、FTTの利便性がさらに向上する」としている。
同取引所のチームは、フェイスブック・グーグルなど大手テック企業やウォールストリート企業からの出身者を迎えており、豊かな経歴に恵まれているという。FTX初のパブリックトークンセールが4月11日に始まった。同社は数か月以内に資金調達活動を完了したいとしている。
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