クリプト・ドットコム(Crypto.com)が取引量でコインベースを上回った。機関投資家の増加と米国初の現物イーサリアム上場投資信託(ETF)の影響が背景にある。
メサーリのデータによれば、中央集権型仮想通貨取引所(CEX)であるクリプト・ドットコムは、8月1日に24時間取引量が23%増加し、31億6000万ドルに達し、コインベースの21億2000万ドルを上回った。

クリプト・ドットコムのマネージングディレクターであるジュゼッペ・ジュリアーニ氏によれば、クリプト・ドットコムの取引量増加は、主に機関投資家のリストが増えたことによるものだという。
ジュリアーニ氏は、この成長を強い市況と改製品提供の改善によるものだとコインテレグラフに語った。「この成長は主にプラットフォーム上での新規顧客の獲得、特に大規模な機関投資家とベテランの個人トレーダーによるもので、2024年の強い市況に支えられている」。
ビットコイン(BTC)などの仮想通貨が新たな最高値を達成するためには、機関投資家の継続的な採用が重要となる。あるアナリストによると、ビットコインの「最終価格」は現在の採用曲線が4倍に成長すれば70万ドルを超える可能性があるという。

米国のイーサリアムETFによる影響
米国で初の現物イーサリアムETFが7月23日に取引を開始した。この現物イーサリアムETFの立ち上げがクリプト・ドットコムの取引量の増加に大きく寄与しているとジュリアーニは話す。
「7月21日の週にイーサリアムETFが立ち上げられた際、当社の現物イーサリアムおよび永久契約の取引量が週ごとに二桁成長を見せ、強い取引量の成長を築いている」と語った。
また、ジュリアーニ氏はコインテレグラフに対し、伝統的な金融(TradFi)分野の企業からの関心の高まりも見られるとした。
ビットコインの建玉が増加
投資家の関心の高まりを示すように、ビットコインの建玉は7月29日に394億6000万ドルの記録を達成し、ブレイクアウトが差し迫っていることを示唆している。
クリプト・ドットコムでの建玉も2024年初頭からほぼ4倍に増加しており、主に新規の機関投資家の参入によるものであるとジュリアーニ氏は述べる。「新規顧客、特にTradFiと仮想通貨ネイティブの大規模な機関投資家からの取引量と建玉の強い増加が見られる」。
しかし、ビットコインの価格は依然として6万5000ドルを下回っており、ビットコインへのさらなる資金流入を促すためには機関投資家の関心の高まりを待つ必要がありそうだ。