米国のテッド・バッド下院議員(共和党、ノースカロライナ州)が、テロ資金供与における仮想通貨の使用を防止することを任務とする機関の創設を目的とした、新たな法案を発案した

同法案(H.R. 296)には、下院議員のウォーレン・デビッドソン議員(共和党、オハイオ州)、スティーブン・リンチ議員(民主党、マサチューセッツ州)、バイロン・ドナルズ議員(民主党、フロリダ州)、ダレン・ソト議員(共和党、フロリダ州)が共同提案者に名を連ねており、水曜日に提出された。

タスクフォースを創設するほか、同法案は以下のことを目指している。

「テロリストによる仮想通貨の使用に関して確信につながる情報に対し報酬を与えること、テトリストによる仮想通貨の不法使用と戦うためのツールとプログラムの開発促進を目的として「イノベーション及びフィンテック・インテリジェンス・プログラム」に「フィンテック・リーダーシップ」を創設すること、及びその他の目的」

提出を受け、同案は予備審査のため金融サービス委員会と予算委員会に差し向けられた。バッド下院議員は、米議会において広く知られる、仮想通貨とブロックチェーンの支持者だ。

バッド下院議員は19年、米国の仮想通貨関連税法の明確さを求める声を擁護していた。また、米国の仮想通貨業界の規制基準を改善することを目的とした法案を下院に数本提出した。

「マネーロンダリング及びテロ資金供給対策」が引き続き政府機関にとって仮想通貨に反対する議論を裏付ける主要な論点となっている一方、仮想通貨の調査分析データによると、テロリスト組織による仮想通貨の利用は限られたものであることが示されている。去る20年5月には、ブロックチェーン分析企業のチェイナリシス(Chainalysis)が、ISISがビットコインで約3億ドルを保有しているとする主張が誤りであると指摘した。

しかし、米国司法省は、ISISとアルカイダのテロリスト網のものであるとする仮想通貨資金を、繰り返し差し押さえてきた。20年6月には、ISIS系のメディアプラットフォームが人気のある匿名通貨「モネロ(Monero)」で寄付を集めている、という報道も出た。

一方でチェイナリシスは、先頃発生した米国会議事堂での暴動に参加した者の中に、事件の1ヶ月前にフランス人のコンピューター・プログラマーから多額のビットコインの寄付を受けた人物がいる、とする記事を公開した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン