過去3年間で、ますます多くの非営利団体(NPO)が仮想通貨(暗号資産)による寄付を受け入れ始めている。仮想通貨寄付ゲートウェイの「The Giving Block」共同創設者のアレックス・ウィルソン氏によると、新型コロナウィルス(COVID-19)のパンデミックは、このトレンドをこれまでになく加速させている。

2020年3月から、新型コロナに対する強硬策が取られるようになり、都市のロックダウンや事業の閉鎖、経済的混乱をもたらした。新型コロナにより、企業やNPOもどちらも同様に著しい損失に直面することになった。

「興味深いことに、過去6ヶ月ほど、非営利団体が仮想通貨受け入れる際に、COVIDは主要な触媒となっていた。なぜなら、彼らの多くは、失われた収益を相殺する様々な方法を探していたのに加え、収益を仮想通貨なような新しいものに多様化しようとしていたからだ」と「、ウィルソン氏はコインテレグラフのインタビューの中で語った。

多くのNPOは2017年に仮想通貨の強気相場だったときにブロックチェーン資産を受け入れ始めた。「特に米国では、多くの人々がキャピタルゲイン税を相殺する方法を探していた」と、ウィルソン氏は述べている。

「それらの方法の1つは、実際に仮想通貨を慈善団体に寄付することだったが、ほとんどの非営利団体は仮想通貨を受け入れる方法がわからなかった」

この問題を解決するため、ウィルソン氏と友人のパット・ダフィー氏は、仮想通貨寄付のためのプラットフォームを構築した。「そのような税制上の優遇措置は、実際にそういった動きの推進する動機となった」と、ウィルソン氏は述べている。

「私たちは現在、約100の非営利団体と協力している」と、ウィルソン氏は述べている。

仮想通貨の寄付は、NPOにとっては新しい支持者を引き付ける要素にもなっていると、ウィルソン氏は指摘する。

「ほとんどの非営利団体は年配の寄付者が主流となっており、若い層の寄付者とつながる方法を探している。若者層の寄付者とより長い関係を築き始めるための方法の1つとして、仮想通貨がある」と、ウィルソン氏は話す。

「仮想通貨の寄付の素晴らしい点の1つは、ほとんどが完全に新しい寄付者であるため、ほかの既存の形式の寄付を犠牲にすることはない。これはまったく新しい収入源となる」

仮想通貨業界には多くの支払ソリューションが存在し、そのうちのいくつかは、決済時に仮想通貨を事前に決定された法定通貨に交換する。The Giving Blockでは、寄付を仮想通貨で保持するか、法定通貨に交換するかを選択することができる。ウィルソン氏によると、「クライアントの90%は、ボラティリティについてまだ心配しており、交換を選択している」という。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン