仮想通貨市場の調整が続いている。27日の相場も一部のアルトコインを除いて全面安の展開だ。ビットコイン(BTC)はサポートと見られていた8800ドルを割り、前日比で5.9%下落の8600ドル台で取引されている状況だ。

イーサ(ETH)は約10%下落し、足元では216ドル近辺で推移している。XRPは5.6%下落し、0.22ドル台で取引されている。

一部のアルトコインは前日比で上昇しているものもある。テゾス(XTZ)は1.5%上昇、リスク(LSK)は5.2%上昇、チェインリンク(LINK)は約7%上昇となっている。

出典:Coin360 11:40時点

ビットメックスで大量のポジション清算

仮想通貨データプロバイダーのSkewによれば、仮想通貨取引所ビットメックスでのビットコインのデリバティブ取引で1億5000万ドル以上のポジションが清算されていたことがわかった。2020年に入ってからは最大規模のポジション清算となっている。

ビットコイン価格の急落によってポジションを清算することにつながったとみられる。

「ビットコインの価値に疑問符」

ニューヨークの投資会社オアンダのシニアマーケットアナリストのエドワード・モヤ氏は、「仮想通貨が問題を抱えている」とブルームバーグにコメントしている

仮想通貨市場全体で数日間にわたって「大虐殺」が続いている状態について、「投資家がビットコインの真価に疑問を持ち始めている」と指摘する。

新型コロナウィルスの影響は世界的に拡大をしており、米政府は米国内でもウィルスが拡大する懸念があると警告する事態にまでなっている。株式市場は続落となっているが、「デジタルゴールド」といわれたビットコインはその真価を発揮できていないと言えるだろう。

ビットコイン批判派のシフ氏は、安全資産説を否定。「ビットコイン提唱者はビットコインが安全資産や価値保存手段として金より優れていると主張しているが、これは馬鹿げている」と批判している。

8000ドルまで調整か

仮想通貨アナリストらが重要なサポートとみていた8800ドルの200日間移動平均線を下抜けた状態となっている。

仮想通貨アナリストのホルス・ヒューズ氏は、8800ドルを割り込めば「状況は厳しくなる」とみており、8200ドル、8000ドルが次のサポートになると分析していた。

また仮想通貨取引プラットフォームeToroのヨニ・アシアCEOは、インタビューの中で、ビットコインが半減期前に8000ドルまで調整するとの見方を提示している。

【関連記事:「何が安全資産か?」金投資家ピーター・シフ、仮想通貨ビットコインにダメ出し

【関連記事:ビットコイン暴落、1カ月ぶり9000ドル下回る 次のサポートは?

【関連記事:本当のブラックスワンではない?ビットコイン急落の訳とは