ブロックチェーン企業コンセンシスは、ブロックチェーンおよび分散型アプリ(dApps)に興味がある技術者向けに、開発関連情報、知識チェックリスト、必要スキル、企業リストや給与情報をまとめた「ブロックチェーン・ディベロッパー・ジョブ・キット」を公開した。その目的として、仮想通貨イーサリアム(ETH)ブロックチェーン開発における実用的な知識への需要を満たし、急成長する業界への参入を支援することを挙げた。コンセンシスが公式ブログにおいて、5月24日に発表した

コンセンシスは、ビジネス特化型SNS「リンクトイン(Linkedin)」による2018年の米国雇用レポートを引用。ブロックチェーン開発者が、前年比で33倍も成長した、最も成長率が高い職種となった点を指摘した。

このキットには、将来の給与データ、ブロックチェーン関連企業リストをはじめとした開発者向けの分野情報、開発者が習得する必要がある技術スキルの概要を掲載したという。

例えば、コンセンサスアルゴリズムやスマートコントラクト、仮想通貨マイニング、何らかのインセンティブ(報酬)を利用してセキュリティの向上を図る仕組み「セキュリティ・インセンティブ」の他、トランザクション処理速度・非中央集権・セキュリティの3要素を同時に実現できず、2つしか満たせない状態を指す「スケーラビリティのトリレンマ」などのトピックを網羅する知識・用語集が含まれているそうだ。

また暗号化については、秘密鍵・公開鍵(公開鍵暗号方式)、デジタル署名、内容を明らかにせずに取引の正当性を検証する仕組み「ゼロ知識証明」、分散型アプリ(dApps)をセキュリティー上安全な環境で動作させる技術「トラステッド・エグゼキューション・エンバイロメント(TEE)」などの情報をまとめた。

ETHベースのdApps開発のためのプログラミング言語に関しては、JavaScript、Python、ソリディティ(Solidity)を推奨しており、サーバーおよびデータベースなどのバックエンド・システムでは、Go言語、モジラ主導のRust、Java、.NET、C++、Rubyなどの言語について触れた。

ブロックチェーン分野の概要では、大手監査法人デロイトによる調査を引用しており、回答した開発者の67.6%がブロックチェーン技術に対して肯定的な見方をしていると指摘した。また同じく大手監査法人のPwCによる調査として、77%の企業がブロックチェーン技術の採用に前向きで、採用予定の計画がない企業は14%となった点を引用した。


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版