仮想通貨データサイト「コインマーケットキャップ」は、「2023年上半期 仮想通貨市場分析」レポートを公開した。レポートによれば、2023年第2四半期は、市場で強力なナラティブが欠けていたことなど、複数の要因により「失われた四半期」と表現されている。しかし、一部の分野では強い成長と回復力を示しているともレポートは指摘している。

レポートによると、2023年第1四半期はビットコイン(BTC)の価格が倍増し、アービトラムといったレイヤー2スケーリングソリューションが台頭するなど、よりポジティブな動きが見られた。また、NFTマーケットプレイスBlurのトークン発行やプロダクトアップデートが推進力となり、NFT市場も活況を呈していた。

Top five active sectors in the first half of 2023. Source: CoinMarketCap

一方で、コインマーケットキャップは第2四半期には画期的な進展が「生まれなかった」と指摘する。新たなBRC-20トークンスタンダードの人気や、ミームコインブームといったトレンドが見られたものの、第1四半期の興奮を再現するには至らなかったと主張している。

それでも、第2四半期には一部のポジティブな出来事があったと同社は語る。その一つが「仮想通貨 恐怖 &強欲指数」で、これは全体的な仮想通貨市場の市場心理を示す指標だ。この指標は52を示し、これは中立と考えられている。これは年初の32(恐怖状態)と比べて大幅に改善している。

市場が厳しい状況であったにもかかわらず、コインマーケットキャップは特定のセクターが回復力と成長を示し、年初来時価総額(YTD)が増加したと指摘している。これには、仮想現実と拡張現実が704%成長し、人工知能とビッグデータが323%成長したという。また、分散型金融(DeFi)プロジェクトとインフラも復活の兆しを見せている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン