仮想通貨取引所コインベースの株価は、6月6日の取引開始時に20%以上急落した。現在の株価は51.61ドルで、取引途中での安値46.43ドルからいくらか持ち直している。同社の時価総額は記事執筆時点で121億ドルに下落している。
同日、米証券取引委員会(SEC)はコインベースに対して訴訟を起こした。未登録の証券取引所、ブローカー、クリアリングエージェンシーの運営、仮想通貨のステーキングサービスプログラムの登録を怠ったとしている。SECのゲイリー・ゲンスラー議長は以下のようにコメントした。
「コインベースの違法行為により、詐欺や価格操作を防ぐためのルールブック、適切な情報開示、利益相反に対する保護措置、SECによる定期的な検査といった重要な保護を投資家は受けられなくなる」
SECの発表と同時に、アラバマ州、カリフォルニア州、イリノイ州、ケンタッキー州、メリーランド州、ニュージャージー州、サウスカロライナ州、バーモント州、ワシントン州、ウィスコンシン州の10州の証券監督当局からなるタスクフォースは、コインベースに対して理由開示命令を発行した。同命令では、「コインベースは、登録なしでアラバマ州の住民にステーキング報酬プログラムの口座を提供し、証券法に違反している」と主張されている。この命令にコインベースは28日以内に回答し、アラバマ州で未登録の証券を販売しないよう命じられる理由を示さなければならない。
2021年4月14日、コインベースの株式は米国ナスダック取引所に上場された。現在の株価は、上場初日に達成した約435ドルの最高値から88%下落している。上場要件の一環として、同取引所はSECへの登録および規制当局の承認を得るために、フォームS-1を提出しなければならなかった。