米仮想通貨取引所コインベースは、顧客の指紋や顔の生体情報を収集・保存することで、米イリノイ州の生体認証プライバシー法に違反しているとして集団提訴されている。今回コインベースを訴えたのは同取引所ユーザーであるマイケル・マッセル氏だ。
5月1日にカリフォルニア地区裁判所で提出された訴状では、取引所が顧客から有効なIDと自分の顔写真を提出させ、顧客確認(KYC)チェックを行う要件が、イリノイ州の生体情報プライバシー法(BIPA)の一部の規定に違反しているとされている。
本来であればユーザーから許諾を得なくてはならないステップを省いていたとされる。さらにデータを収集する目的、保管期間、使用方法、および永久に破棄する方法を明示する必要があったとのことだ。
訴状は「コインベースには生体認証情報を永久に破棄するための保持スケジュールとガイドラインを確立し、公開する文書化されたポリシーがなかった」と辛らつだ。「コインベースが収集・取得・保管・使用した生体認証データは『違法』なかたちで取得されたものであり、顧客を『深刻で取り返しのつかないプライバシーリスク』にさらしている」。また顧客が口座開設した後、生体認証データは「永久に破棄」されるべきだという。
今回の訴訟では、法令違反に対して1件あたり5000ドル、裁判所が違反が故意でないと判断した場合は1000ドルの賠償金を要求。集団訴訟の弁護士費用や裁判所費用の支払いもコインベースがもつべきだとされている。
コインテレグラフはコメントを求めてコインベースに連絡したが、発行時点で返答は得られなかった。
