米国最大の仮想通貨取引所コインベースの幹部が、チェダーのインタビューに答え、現在物議を醸しているNeutrino(ニュートリノ)買収の理由について、前任企業が顧客のデータを外部に売却していたからと発言した。Neutrinoについては、幹部らがかつて反体制派やジャーナリストを監視するソフトを弾圧的な政権に売っていたという疑惑が浮上したことから、一部の仮想通貨ファンの間では「コインベースの口座を削除しよう(#DeleteCoinbase )」という運動が展開されていた。今回の幹部の発言は、火に油をそそぐ形になった。

衝撃発言

コインベースの法人営業トップであるクリスティーン・サンドラー氏は、ニュートリノ買収の理由について次のように説明した。

「我々にとって現在のプロバイダーから離れることが重要だった。彼らは顧客のデータを外部ソースに売っていた。我々にとって、そうした動きをコントロールし、データを安全に保管して顧客を守るための専門技術を持つことが必要だった」

コインベース は、代わりに獲得したニュートリノの分析ツールを使って、顧客資産の盗難防止、ハッキングやランサムウェアによる攻撃の調査、疑わしい取引の特定に役立つことを期待しいた

ただ、サンドラー氏の発言をうけて一部の仮想通貨ファンの間では衝撃が広がっている。

「コインベースよ、どのデータが売られて、以前のプロバイダーはどのデータにアクセス権限があったのか、顧客に知らせる義務がある。彼らは誰だ?
どのデータを持っていた?彼らが売ったデータのうちどれを把握している?公開を待っています。ありがとう」

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また、ニュートリノ買収の件について米国でライバルの仮想通貨取引所クラーケンのジェス・パウウェルCEOも反応。我々のコンプライアンスチームに尋ねてニュートリノを審査したところ、プロダクトに関して5社中最低評価だったことを明かし、「どちらにしろリスクがあるから不合格だ」と述べた。

ただ一方でパウウェルCEOは、M&Aはコストや企業文化など他の要素も重要になってくると付け加えた。

XRP(リップル)上場にも言及

コインベースのサンドラー氏は、チェダーに対して、仮想通貨XRPを上場させた理由についても解説した。現在仮想通貨XRPをめぐっては発行時に有価証券として登録されるべきだったなどという主張があり、リップル社には集団訴訟が起こされている

サンドラー氏は、SEC(米証券取引委員会)がたとえXRPを証券と分類したとしても、コインベースは準備ができていると発言。コインベースは去年、証券ディーラーのキーストーン・キャピタルを買収しており、コインベースで証券の売買ができるようになっているという。

その上でサンドラー氏は、XRP上場に対する要望が高かったと指摘した。

XRPをプラットフォームに追加することに対する興味が高まっていた。証券に分類されるかどうかに関する観測もあったが、我々は証券の法律家ではない。どちらの側の言い分も分かる気がする」