コインベースの最高経営責任者(CEO)兼共同創業者のブライアン・アームストロング氏が、米証券取引委員会(SEC)が証券法違反で同取引所に対する訴訟を起こす前日に、同社の株式を売却していたことが明らかになった。この取引は、アームストロング氏が大幅な損失を回避したことから、ツイッター上の仮想通貨コミュニティで波紋を呼んだ。

SECの記録によれば、アームストロング氏は6月5日に2万9730株のコインベース株を売却していた。コインベースの株価は訴訟が起された当日に急落し、20%下落した

アームストロング氏は昨年11月から定期的にコインベースの株を売却しており、昨年8月に採用された10b5-1プランに基づいて取引を行っている。このプランでは、取引のタイミングや規模が事前に決定される

コインベースの株価とアームストロング氏の取引日を比較すると、彼の取引が常に利益をもたらすものではなかったことがわかる。したがって、取引はSECの訴訟がアームストロング氏に知られる前に設定されていた可能性がある。一方で、SEC側はアームストロング氏の取引アルゴリズムを把握していた可能性もある。

Coinbase's share price over the past year. Source: Google

アームストロング氏は、コインベースに対するSECの訴訟翌日に、個人資産が22億ドルに減少し、純資産の11.8%を失ったとみられている。彼はフォーブスによって、世界で1409番目に裕福な人物としてランク付けされている。

Dataromaの統計によれば、同社の役員の中で、過去1年間にコインベースの株を購入したのは、取締役のトビアス・ルトケ氏とフレッド・エアサム氏だけだ。ちなみにアームストロング氏とエアサム氏は、今年5月にコインベースの株主から提出された訴訟で被告となっている。この訴訟は、彼らと他のコインベースの支持者が、2021年4月の直接上場で株式を売却した後、不利な財務情報が開示され、株価が37%下落したと主張している

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン