米国最大の仮想通貨取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOは、仮想通貨が普及するための条件としてボラティリティ(変動幅)、スケーラビリティ(規模の拡大)、ユーザビリティ(使いやすさ)の3つをあげた。2日に同CEOがユーチューブ上で行ったAMA(なんでも聞いて)で発言した。
アームストロングCEOは、まずボラティリティに関して言及。仮想通貨相場の値動きが激しすぎれば、伝統的な投資家を巻き込むことは難しくなると述べた。このため、価値が安定するステーブルコインなどが必要と指摘した。
次に、同CEOは現在コインベース で10チームほどがスケーラビリティ改善について研究していると指摘。ビットコインの取引スピード改善や手数料の削減を目指すライトニングネットワークを例にあげた。同CEOによると、スケーラビリティ改善によって仮想通貨の取引数は1秒間に500~5000回に到達し、VISAやペイパルと競争できるようになるという。
現在、ビットコインの1秒あたりの取引数は7で、VISAは6万5000だ。
最後にアームストロングCEOは、ユーザビリティの改善を訴えた。現在、利用者が投資をするために必要なステップがあまりにも多すぎると指摘し、中国の人気アプリのウィーチャットくらいの使い勝手が良くならなければいけないと述べた。
一方、アームストロングCEOは、かつてビットコインのサポートに回りすぎたことを反省する場面もあった。
アームストロングCEOは、ビットコインのことが好きで成功してほしいと願っているものの、2013年~2014年の間で一時期ビットコインのプロモーションに肩入れしすぎたことを後悔しているという。当時は「ビットコインがすべての人々のために使えるスケーラブルな決済ネットワークになる」と考えていたものの、「BTCコミュニティーでこの考えがこれほど議論を引き起こすことになるとは思っていなかった」と告白した。
同CEOは、その後、すべてのコインをサポートする方針に転換し、勝者を選ばないようにしたという。
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版
原文 Coinbase CEO Names Three Things Crypto Needs for Mass Adoption