ステーブルコイン発行企業であるサークルは、自社のユーロペッグのステーブルコイン「EURC」のステラネットワーク版を立ち上げた。EURCはこれまでイーサリアムとアバランチネットワークでのみ利用可能だった。

ステーブルコイン、すなわち法定通貨を担保とする仮想通貨トークンは、Web3エコシステムの不可欠な要素となっている。ユーザーはブロックチェーンネットワーク上で支払や送金を行ったり、通貨を借りたり、利息付きで貸し出したりすることができる。

現在、時価総額で6番目と7番目に大きい仮想通貨は、米ドルペッグのテザー(USDT)とUSDコイン(USDC)とだ。イーサスキャンによると、テザー関連はイーサリアムのガス手数料の消費者で3番目に大きい。

しかし、ほとんどのステーブルコインは米ドルでペッグされている。ユーザーが自国通貨で表記されたWeb3の支払いを送りたい場合、現在は選択肢があまりない状況だ。

USDC発行企業のサークルは、この問題を解決するために2022年にイーサリアム上でユーロペッグのステーブルコイン「EUROC」を立ち上げた。国際決済銀行の公表した研究によると、ユーロは世界で2番目に取引量の多い法定通貨だ。現在、ユーロはヨーロッパの20カ国で公式通貨となっている。5月25日には、サークルはアバランチ上のEUROCのネイティブ版を立ち上げ、9月23日に「EURC」に改名した。

最新の発表によると、EURCは現在3つのブロックチェーンネットワークで利用可能であり、ユーロ圏の住民にとって、自国通貨でブロックチェーン上でビジネスを行うための選択肢が増える可能性がある。

発表によると、仮想通貨決済プロバイダーのリピオ(Ripio)は新バージョンのEURCと統合し、スペインのユーザーに対してステラネットワークを使用してEURCを預け入れたり引き出したりすることを可能にした。

リピオのCEO兼共同創設者であるセバスチャン・セラーノ氏は、この変更がスペインのユーザーが仮想通貨を決済手段として採用することを促すことになると語った。「10年間、私たちはラテンアメリカ全域に製品展開を行ってきた。今回の重要な統合により、ヨーロッパに進出する準備が整った。スペインの人々がEURCのようなデジタル資産へのアクセスがスムーズになり、世界中でより速く、安価な取引を楽しむことができることを嬉しく思う」とセラーノ氏は述べた。

ステーシスユーロ(カルダノ)やメンブレンファイナンスのEUROe(イーサリアム)など、他のユーロペッグのステーブルコインの例も存在する。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン