米ドルとペッグされたステーブルコイン「USDコイン(USDC)」の発行者であるサークルは、トロン・ブロックチェーン上でのトークンのサポートを中止すると発表した。同社によれば、この決定は「USDCが信頼され、透明で、安全であることを保証するための取り組みと一致したものだ」という。

「直ちにトロン上でのUSDC発行を停止する」とサークルは2月20日のブログ投稿で述べ、トロン・ブロックチェーンでのサポートを段階的に終了すると付け加えた。

サークルは、「Circle Mint」のビジネスカスタマーが他のブロックチェーンへのUSDC転送を2025年2月までサポートすると記した。

サークルは、個人投資家ユーザーとサークル以外の顧客に対し、トロンベースのUSDCを取引所に移動させ、USDCがまだサポートされているブロックチェーンネットワークに転送するよう求めた。

サークルはトロンのサポートを停止する理由を明らかにしなかったが、リスク管理の一環として「すべてのブロックチェーンの適合性を継続的に評価している」と述べるに留めている。

サークルは、トロンのサポートを撤回する動きは「事業組織、コンプライアンス、および当社全体の他の部門を含む企業全体のアプローチの結果である」と付け加えた。

USDCの時価総額は約280億ドルであり、競合するステーブルコインのテザー(USDT)に次いで2位となっている。CoinGeckoのデータによると、テザーの評価は975億ドルでUSDCの3倍以上となっている。

11月、米NPOがサークルとトロンネットワークとの関係を問題視し、議会に書簡を送る事態となった。その後、サークルはトロンの創設者ジャスティン・サン氏にサービスを提供しているという主張を否定し、2023年2月以来行っていないと説明した。

米証券取引委員会は2023年3月に、サン氏とトロン財団が未登録の証券を提供し、市場操作的な取引を行ったとして訴えを起こしたが、サン氏はこれを否定している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン