ステーブルコインUSDコイン(USDC)の発行者であるサークルは、トロン創設者ジャスティン・サン氏との関係や不正な資金調達を否定する公開書簡をブログに掲載した。非営利の監視団体が以前、サークルにサン氏とのつながりがあると非難していたのを受けてのものだ。
サークルの公開書簡は米国のエリザベス・ウォーレン上院議員とシェロッド・ブラウン上院議員宛てとなっており、サークルの最高戦略責任者で公共政策責任者のダンテ・ディスパルテ氏が署名している。
ディスパルテ氏は書簡の中で、サークルについて「偽りの」主張がなされていることを「最近認識した」と述べている。書簡には、「サークルは直接的にも間接的にも、ハマス(またはその他の不正行為者)に資金を提供したり、その活動を支援したりしていない」としている。さらに、ディスパルテ氏はサークルがサン氏に金融サービスを提供したりしていないと主張した。
ディスパルテ氏は、サークルがハマスやヒズボラへの「大規模な資金の流れ」を容易にしたという主張を否定し、「これらの非難は裏付けのない、検証されていないソーシャルメディアへの投稿に基づいている」と主張した。「不正なウォレット間でUSDCでわずか160ドルが移動されただけで、そのいずれもサークルから得られたものではない」と書簡は述べている。
ディスパルテ氏はまた、サークルが2023年2月にサン氏へのサービス提供を停止したと主張する。「サン氏や、トロン財団やフォビ・グローバルを含むサン氏が所有または管理するいかなる組織も、現在サークルとの口座を持っていない。これまでのところ、米国政府はサン氏や彼の組織を特別指定国民として指定していない。それにもかかわらず、サークルは2023年2月にサン氏と彼の関連会社が持つすべてのアカウントを停止した」と言う。
サークルからの公開書簡は、非営利の倫理団体キャンペーン・フォー・アカウンタビリティが11月9日に出した書簡に応えて送られたもののようだ。その書簡では、サークルがサン氏のトロン財団や主要なウォールストリート投資家と広範なつながりを持っており、サン氏のクロスチェーンプロトコルであるサンスワップがしばしばマネーロンダリングに使用されていると主張されていた。
仮想通貨がテロ資金調達に使用されているという主張は、10月7日に勃発したイスラエルとハマスの戦争以来広く言われるようになっている。10月10日にはウォールストリートジャーナルが「1億3000万ドル以上」の仮想通貨がテロ組織に寄付されたと報じたが、後にこの記事を訂正し、仮想通貨で1200万ドルがこれらの組織に「送られた可能性がある」と報じた。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン