中国国家外貨管理局(SAFE)は、ブロックチェーンのクロスボーダー(国境をまたぐ)金融試験プログラムの対象省および市の数を以前の9から19にまで拡大した。グローバルタイムズが11月11日に報じた

SAFEの副局長であるルー・レイ氏は、10月末時点で、SAFEはブロックチェーンとAI(人工知能)をクロスボーダー貿易金融の分野に適用する計画を立てているとし、特に注視するのはリスクマネジメントだと述べていた。

今回の報道では、匿名の専門家らは、このブロックチェーン導入でさらに効率化された安全なクロスボーダー金融サービスが可能になることを期待しているとしている。同プロジェクトは今年3月に公開され、輸出向けの金融サービスと国際企業向けデータ検証を提供している。

ブロックチェーンアナリストのカオ・イン氏は、以下のように述べている。

「従来型の金融では、情報検証や承認に多くの人的作業が要求され、金融詐欺へのリスクも高い。(中略)このブロックチェーンシステムは、各資産の移動を確実に分散化、暗号化して追跡するので、人が仲介する余地がほとんどない

イン氏はまた、同プラットフォームは、工程時間の削減とリアルタイムでの監視を実現すると説明。中国人輸出業者にとって金融条件の著しい改善だとしている。トランザクション時間は2日間から15分程度に短縮されるという。

同システムは、浙江省杭州市拠点のジョンチャオ・ブロックチェーン・テクノロジー・リサーチ・インスティテュートが開発したブロックチェーンプラットフォームを採用している。10月末時点で、同プログラムに参加する商業銀行20支店すべてが同システムにアクセスできる状態となっている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン