中国の中央銀行にあたる中国人民銀行(PBoC)が、ブロックチェーン基盤の貿易金融プラットフォームにおいて、これまで300億元(約4741億円)の外国為替取引を処理した。現地金融メディア「新浪財経(SINA Finance)」が7月8日に報じた。
中国人民銀行の同プラットフォームは試験運用段階だが、既に深センの28行483支店でサポートされており、正常に動作しているという。また、取引を行った企業がクロスボーダー決済に関するデータをブロックチェーンに記録するとともに、人民銀行(為替管理部門)と各行がリアルタイムで情報を取得しトレースするそうだ。
記事によれば、今年8月からこのプラットフォームを正式にスタートさせる予定だ。将来的には深セン以外の地域にも拡大し、海外の同様のプラットフォームと接続することも視野に入れているという。
また人民銀行の深セン支店と国家税務総局の深セン税務局が7月4日、同プラットフォームで自動税務申告を実現するため、戦略的協力協定を締結。人民銀行や税務当局、外為銀行の間で、プラットフォーム上のデータをリアルタイムで照会・検証できるようにするという。
人民銀行は、ブロックチェーン技術は、伝統的な銀行環境の貿易金融で典型的といえる「複数部門間にわたる紙の書類ベースのやり取り」、「複数部門による手作業による書類内容検証」などを追放すると説明した。
中国人民銀行は、ブロックチェーンだけでなく、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の分野にも力を入れようとしている。7月8日の香港メディアの報道によれば、フェイスブックの仮想通貨リブラに対抗し、独自のデジタル通貨発行に向けた取り組みを進めていくという。
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翻訳・編集 コインテレグラフ日本版