中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC)の姜洋(Yang Jiang)前副主席が、ブロックチェーンに絡む産業を支援するため、四川省は安価な水力発電を活用すべきと提言した。サウスチャイナ・モーニングポスト(SCMP)が10月30日に報じた

政策提言機関にあたる中国人民政治協商会議の全国委員会メンバーでもある姜洋前副主席が、中国・北京で開催されたフォーラム「四川省高品質開発意思決定協議」において講演した。

現地紙「四川日報」によると、世界中の仮想通貨ビットコイン(BTC)の7割を中国が生み出している点、四川省が中国最大のマイニング拠点である点を指摘した上で、「四川省は、安価な水資源(の余剰水力)を用いて、デジタル仮想通貨ビジネスをどのように引き付けるかさらに研究する必要がある」と提言したという。「世界中の仮想通貨ビットコイン(BTC)の7割」という点については、中国が世界のマイニングハッシュレートの半分程度を占めている旨を意味しているようだが、前副主席は「7割」という数字の根拠は提示しなかったようだ。

仮想通貨マイニングで、極端な余剰水力解消

中国南西部に位置する四川省は、5月ごろから約半年間続く長い雨季と中国最大の水力発電所が知られている。

四川省は、2018年だけで78.2ギガワットの水量発電を行い、その30%にあたる1040億キロワット時(kWh)を四川省外に輸出したそうだ。1ギガワットは、中国の一般的な家庭約83万戸の1年間分の電力供給に相当するという。

この豊富な水資源により、四川省における雨期の電気料金(1kWhあたり)はわずか2セントで、雨期以外でも4セントだという(北京と広州の電気料金は11セントとされている)。この点が、電気料金が運用コストの大部分を占める仮想通貨マイニング業者にとって大きな魅力になっているそうだ。

重要な点は、仮想通貨マイニングがこれら極端な余剰水力を解消する可能性があり、水力発電所はビジネスチャンスを逃していると見られていることだという。SCMPは、この点に注目することで、地域経済が大幅に向上する可能性があると指摘した。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版