中国当局は、大規模な仮想通貨禁止を施行してから2年以上経った後、テザー(USDT)などの仮想通貨を外国為替取引に使用することに対する取り締まりを強化している。

中国の最高人民検察院は、中国の人々に対してUSDTを仲介手段として中国人民元と他の法定通貨との取引に使用することに警告している。

最高人民検察院は12月27日に国家外国為替管理局と共に声明を発表し、国境を越えた外国為替取引におけるステーブルコインのテザーの使用に対してより厳しい措置を講じるよう地元当局に要請した。

声明では、最高人民検察院と国家外国為替管理局は、テザーを人民元と外国通貨の間の交換媒体として使用することは違法であると宣言した。当局は、法律に基づいて「詐欺的な外国為替購入、違法な外国為替取引およびその他の外国為替関連の違法および犯罪行為を処罰する」ための連携について各地方部局が改善すべきだと述べた。

中国当局は、人民元と仮想通貨との交換に関わるすべての活動が違法であると改めて強調した。これには、技術サポートを提供することや交換サービスを提供することなど、間接的な関与も含まれる。

声明では、中国での仮想通貨の店頭取引(OTC)デスク「レンレンビット」の創設者である趙東氏が関与した犯罪事例が言及されている。このトレーダーは、アラブ首長国連邦の法定通貨ディルハムを使用してUSDTを購入し、中国本土で人民元で転売した罪で、7年の禁固刑と230万元(4600万円)の罰金を科された。

今回の発表は、中国本土の当局が取引やマイニングを含む国内の仮想通貨活動に対する大規模な禁止措置を実施してから2年以上経った後になされた。中国の当局は、テザーの取引に対する取り締まりを強化しており、2023年8月にはある中国人が9万4988元(約190万円)相当のテザーを購入した罪で9ヶ月の実刑判決を受けた。

中国が2021年に大規模な仮想通貨禁止を施行したにもかかわらず、少なくともしばらくの間、テザーなどの仮想通貨は中国で人気を保っていたようだ。2022年には、北京の朝陽区人民法院が、ある企業が違法に従業員にUSDTで給与を支払った後、ステーブルコインのようなUSDTを給与支払いに使用することができないという判決を下している

現地報道によると、中国の仮想通貨市場は2022年10月時点で依然として世界最大の市場の一つであり、中国本土はビットコインのマイニングハブとして世界第2位に返り咲いている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン