マイクロビットコインマイニングデバイスは性能は劣るものの、ビットコインエコシステムの最大の欠点とされる問題に一石を投じるものだと開発者たちは主張している。

マイクロビットコインマイニングデバイスは、オープンソースでポケットサイズのものが多く、市場のニッチな部分を担っている。これらのデバイスは、完全に組み立てられた形のデバイスや自作キットを提供し、ビットコイン(BTC)を単独でマイニングする。

これらのキットの開発者たちは、コインテレグラフに対し、デバイス購入者が利益を得る可能性は低いと認めつつも、ビットコインマイニング業界の「秘密主義と排他性」に対抗することが重要だと主張している。

こういった企業の1つであるビットメーカー(BitMaker)は最近、自社のデバイスがわずか3ドルで作ることができ、出力は1秒あたり50キロハッシュであると紹介している

BitMaker’s $3 50Kh/s portable miners. Source: BitMaker

2022年6月からマイクロマイナーを手掛けているビットメーカーの広報担当者は、ビットコインのソースコードと全く異なり、すべての有名なビットコインASICマイニングリグがクローズドソースであると主張した。

これにより、ビットコインマイナーの製造と供給は商業化された組織に限定されていると指摘する。「ビットコインマイニングマシンは、ビットコインエコシステムにおいて最も重要なハードウェアであり、すべてが完全な秘密のもとで作られている」

データによれば、ビットコインのハッシュレートの35.4%はアメリカから、次いでカザフスタン(18.1%)、ロシア(11.2%)、カナダ(9.6%)となっている。米国のマラソンデジタル、ライオットブロックチェーン、シンガポールのビットディア・テクノロジーズグループは、世界最大のマイニング企業の一部である。

ビットアックスマイナーの製造者であるSkot氏も同様の見解を共有し、デザインをオープンソース化することで、業界に必要な透明性をもたらすとコインテレグラフに語った。

「マイニング業界は伝統的に秘密主義と排他性が存在した。オープンソースプロジェクトの登場により、このような不透明な領域に光を当て、一般の人々への透明性を高め、アクセスしやすくすることが可能になる」とSkot氏は語った。

ビットアックスの広報担当者は、これらのプロジェクトの背後にいるエンジニアたちは、大手メーカーに依存せずにハッシュボードや他のマイニング機器を作る方法をまとめたドキュメントをオープンソース化していると語った。「これにより、興味がある人は誰でも自分のマイナーを作ったり、複数のマイナーを作ったりして、ある程度、システムの分散化に貢献することができる」と語った。

しかし、Skot氏は購入者がすぐにビットコインを稼げるとは思わない方が良いと認めた。彼はビットアックスのエンジニアがマイナーをより効率的にするために働いているとしつつ、ポータブルマイナーの目的は利益ではないとも主張した。「それは必ずしも利益を追求するためではなく、学習や理解、場合によってはコミュニティの一部となることが目的だ」とSkot氏は語った。

Skot氏はまた、ポータブルマイナーは商業化されたプレーヤーと競争するために作られたわけではなく、人々が高価でかさばり、過熱しやすいマイニングリグを購入することなく自宅でリグを稼働させる機会を提供するためのものだと強調した。

市場にはビットメイン・アントルーターやマーズ・ランダーなどの小型ビットコインマイナーも存在する。一方で、イノベーターたちはモバイルフォンを使ってビットコインをどのようにマイニングできるかも試行錯誤している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン