「ブロックチェーン技術があれば、2008年の金融危機に有効に対応できた」 米CFTCのジャンカルロ委員長が指摘

米商品先物取引委員会(CFTC)のクリストファー・ジャンカルロ委員長は6日に講演し、ブロックチェーンがあれば、2008年の世界金融危機に有効に対応できただろうと語った。規制当局がリアルタイムの分散台帳をチェックしていれば、金融機関のポートフォリオ上のリスク情報を早期に把握できただろうと述べた。

米ジョージタウン大学で開催されたイベント「DCブロックチェーンサミット」で講演した。

ジャンカルロ氏は、講演の中で自身が2008年に米証券仲介会社GFIグループに在籍していたころを振り返った。GFIグループは当時、金融危機の引き金となった「クレジットデフォルトスワップ(CDS)」の主要な取引プラットフォームの1つだった。

「政府の銀行監督部門から、リーマン・ブラザーズを含むいくつかの主要銀行のCDS取引のエクスポージャーについて聞かれたことを覚えている。実際、取引状況は時を経るごとに悪化していった。規制当局は、電話を掛ける以外、CDS市場が発している危険信号を読み取る手段はほとんどなかった

当時の規制当局は「断片的なデータを集め、複雑な個別の取引ポートフォリオを再構成するしかなかった」と、ジャンカルロ氏は振り返る。

ジャンカルロ氏は、ブロックチェーン技術があれば、取引参加者全員のリアルタイムの記録・台帳を規制当局がチェックすることができれば、市場全体の取引活動が異常であることを発見し、銀行破綻リスクが高まっていたことを把握できたかもしれないと指摘した。

ブロックチェーン技術が、ウォール街のデリバティブ・エクスポージャーの情報基盤となっていたら、10年前と大きく状況は違っていただろう。少なくとも、混乱した対応ではなく、豊富な情報のもと、はるかに機敏で、より調整された介入が可能だったはずだ

ジャンカルロ氏は、ブロックチェーン技術と人工知能(AI)技術を組み合わせることで、規制当局がマーケットでのトレーディングの異常やポートフォリオのリスクが上昇しているといった危険信号を迅速に特定できるようになるだろうと述べる。

ジャンカルロ氏は、ブロックチェーン技術とスマートコントラクトとが、金融の市場インフラを改善する絶好の機会になると強調する。

そして、規制当局であるCFTCは「指数関数的に発展する技術」に対して、新しい規制対応が求められると語った。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版
原文 CFTC Chair: Blockchain Could Have Transformed Regulators Real-Time Response to 2008 Crash