米商品先物取引委員会(CFTC)は、バイナンスを商品取引所法およびCFTCの規制に違反したとして提訴した。CFTCはイーサを使った取引も違反行為と主張。この主張は、CFTCと証券取引委員会の間の証券論争の複雑さを浮き彫りにしている。

CFTCはバイナンスを提訴した文章の中で「米国内の人物に対してビットコイン(BTC)、イーサ(ETH)、ライトコイン(LTC)を含む商品であるデジタル資産」との取引に関与していると主張した。CFTCはこれまでにも12月のFTXに対する訴訟でETHを商品と強調。ロスティン・ベーナム委員長はつい最近も3月8日に上院の公聴会でETHとステーブルコインが商品であるとの見解を述べている。

ETHに対するCFTCの立場は、イーサリアムの「マージ」実施以前は、イーサリアムは商品であるとする主張に議論の余地はなかった。しかし、マージによってプルーフ・オブ・ステーク・コンセンサス・メカニズムに移行した後、SECのゲーリー・ゲンスラー委員長は、「ハウェイテストの下で、投資家は他人の努力に基づく利益を期待していることを示している」として、イーサリアムを証券であると発言するようになった。

ゲンスラー氏のコメント以来、イーサが証券該当性に関して再び議論が再燃している。例えば2月には、イーサリアムの共同創設者で起業家のジョセフ・ルービン氏がコインテレグラフに「ステーキングは証券ではない」と語り、証券と認定することは「米国にとって恐ろしい道」であるとした。ルービン氏は、ETHが証券として分類された場合、「仮想通貨コミュニティだけでなく、さまざまな政治家や特定の規制当局から多大な反発を受けるだろう」と付け加えた。

ブロックチェーンインテリジェンスグループの規制担当ディレクター、ティモシー・クレイドル氏は、「訴状では、スワップに関連する証券について言及している」として、次のように話した。

「ETHを含むオファーのエコノミクスは、トークンに適用される定義を変える可能性がある。例えば、ETHのステーキングは依然として投資契約として解釈され、証券として解釈される可能性がある」

ETHを含む混合スワップなど、一部の取引はSECとCFTCの両方による規制の対象となりうるが、それは「混合スワップには商品や通貨も含まれるため、ETH自体を必ずしも証券と定義するものではない」とクレイドル氏は述べた。